WHITE ROOM>オリジナルフルアルバム>タイトル:WHITE ROOM>アーティスト:YOSHII LOVINSON>リリース日:2005年 3月 9日>記事作成日:2019年 11月 9日




久しぶりに聴きました!
先日、急に頭の中で『FINAL COUNTDOWN』のサビが流れ始めまして。何かのカウントダウンが始まる啓示なのでしょうか(笑)   …「人生の」とかだったら嫌だな。
『FINALー』は当時から大好きな曲でしたし、今でこそイエモンも復活したんでそっちに興味が向きがちですが吉井さんのソロ作もなにげに名作揃いだし、だから改めて聴いてみようと思いまして。


『PHOENIX』粘り気のある、“濃度”の高いロックチューン。イエモン時代からの特徴であるこの特徴ですが、ソロ処女作のあたりではなんかその感触が感じられなくて。なんかもっと、乾いたドロドロというか…「病んでるんだな」ってのが伝わってくるアンバランスさで。それが、ソロ2作目となる本作の冒頭のこの曲で、いつもの聴き心地良いウェットを感じられた気がして、なんか嬉しかった記憶があります。「戻ってきたなぁ」って。いや、もちろん吉井さんの内面をぼくは知る由がないので実際のところどうなのかは分かりませんけど、ぼくには、そう聴こえたんです。
『CALL ME』吉井さんのソロ作品の中でも、かなり好きなほうのこの曲。シングルで出た時から、繰り返し繰り返し聴いたなぁ。悲壮感すら漂う、重厚なロックバラード。でもボーカルのメロディラインについては圧倒的に人懐っこくてキャッチーで、その2つの要素が両方ある事で、(語弊のある言い方かもしれないけど)イエモンっぽさが強く感じられて。懐かしくて、嬉しかった。
『欲望』各楽器(特にベース)の音がクリアに、シャープに聴こえてくるロックチューン。軽音部の部室で、アンプから出てくる音をそのまま聴いてるようなダイナミズム。これ、相当気持ちいい。曲自体も、せき立ててくるようなスピード感が心地よくて。全体的に、快感たっぷりのロックンロール。
『WANTED AND SHEEP』アコースティックギターが渋く沁みてくる、感傷的なミドルバラード。そしてエレキは啼いている。ひと癖もふた癖もある、メロディラインと歌声と。もっと分かりやすい、メロウな“だけ”のバラードに仕上げる事だって出来たんじゃないかと思うんだけど、あくまでもそうしないという意思すら感じる。その辺が、凄く好き。
『RAINBOW』なんというか…“日本のロックスター”の音がする(笑)   華やかで、キャッチーで、どこか儚げで。カッコいいだけのロックンローラーなんて世界中に沢山いるけど、そこに儚さや哀愁を織り込んでくるのは日本のロックスターくらいだと思う。
『JUST A LITTLE DAY』幸福感の香る、優しい曲。決して手放しでハッピーな曲ではないんだけれども、ネガティブな事も含めたあらゆる事をさりげなく肯定してくれるような、そんな感覚になる曲。ぼくの受け取り方としては、なにか失敗したあとに「まぁ、そんな日もあるさ」って声をかけて貰えたような、そのくらいの些細でさりげない優しさを受け取る感覚に近い。
『FINAL COUNTDOWN』この曲きっかけで本作アルバムを再聴したワケですが…やっぱこの曲、凄く好きだわ。例えば、イエモン時代で言うなら『プライマル。』とか『LOVE LOVE SHOW』みたいな、陽気に弾けている曲。吉井さんがごく稀に投げてくる、底抜けに陽気なナンバー。ほんと好き。もちろん、ここで言う「陽気な」というのは、「能天気な」とか「なんのメッセージ性もない」とかそういう意味合いではないですが。
『NATURALLY』珍しく、張ってもいないし喉から声を出してるような歌声。普段はもっと、腹から声出してピッチが恐ろしく安定しているイメージがあるんですけどね。この、ちょっと力を抜いた感じの歌い方、新鮮で好きです。歌詞も、凄く等身大というか…近所のにーちゃんくらいの距離感で話しかけられてるような感覚。
『トブヨウニ  ALBUM VERSION』一転して、粘度の強いずしんと来るロックチューン。これもまた、メロディは凄くキャッチーで親しみやすいんだけど、サウンドの重厚さが前に来る。吉井さんの作品って、音(演奏、アレンジ)と歌(メロディ、歌詞)とで比較した時に、歌のほうがより重厚である場合が多い気がしますが….この曲は、珍しく(?)、音のほうがヘヴィでラウドで、それに比べて歌のほうは程よく力が抜けてる感じがしました。
『FOR ME NOW』一見すると小ざっぱりしてるんだけど、骨太で聴き応えのあるサウンド。アドレナリンが出る感じがするんだけど、歌詞的にはちょっぴりデリケートな感じもしますね。デリケートっちゅうか、ナイーブというか。この時期の吉井さんの作風が、滲み出ている感じがします。それにしても、最後の終わり方が斬新すぎる!
『WHAT TIME』おどろおどろしいというか…不穏な雰囲気から始まる曲。こういう濃厚でクセの強い楽曲でアルバムを〆るってのが、個性的で良いと思います。普通、もうちょっと分かりやすく“大団円”って感じで〆る事が多いのにね。


そんな、計11曲。
いやぁ、名曲揃い。この人は、生粋のロックスターなんだなぁと思います。この時期、いちリスナーでしかないぼくにだって「なんか鬱々としてるんだろうなぁ」ってのが分かるくらいだったんだけど…それすらも、独りよがりに吐き出すんじゃなくて“作品”として昇華させているのが分かって。“悩める歌うたい”じゃなくて、あくまでも“孤高のロックスター”が繰り出してきた本作。カッコいいし、強いし、キュンとするし、そしてやっぱりカッコいい。今回久々にこの作品を聴いて、リリース当時に聴いた時よりも数段好きになりました。




お気に入りは、#02 『CALL ME』#03 『欲望』#06 『JUST A LITTLE DAY』#07 『FINAL COUNTDOWN』#08 『NATURALLY』#09 『トブヨウニ  ALBUM VERSION』




この作品が好きなら、・『SENSE』/Mr.Children・『BREAK MY SILENCE』/高橋優・『LION』/奥田民生などもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!▶︎音楽雑記帳