Fishing>オリジナルフルアルバム>タイトル:Fishing>アーティスト:chelmico>リリース日:2019年 8月 21日>記事作成日:2019年 10月 10日




聴きました!
最新作ですね。一番最初にこの人たちの音楽を聴いた時に「すげー、新しい!」って思ったけど、メジャー1st.はあまりにもキャッチー過ぎて「HALCALI感強すぎない?」って思う部分は無きにしもあらずだったんですよねぇ。本作は、作風がガラリと変わったわけでもないんだけれどもこれまでとはまた雰囲気が違っていて、オリジナル要素が確立されてきたかなという印象でした。


『EXIT』キャッチーでポップな感触は残しつつ、結構クールなサウンドに仕上がってる気がします。そのトラックと同様に、ラップも、クールで(さりげなく)スキルフル。
『爽健美茶のラップ』…って言われちゃうと、販促グッズでサランラップ的なものが付いてくるお茶の話かと思っちゃう(笑)面白い試みだと思いますよ。例えばハイスタの『My first kiss』であるとか、あとはクレモンティーヌさんの日本向けの多くの作品みたいな…お茶の間サイズの原曲のアートレベルをぐっと引き上げるアプローチ。この曲の場合はオリジナルの破壊力が特に半端ないので、頭から離れなくなります。でも…「ハトムギ 玄米 月見草 ドクダミ ハブ茶 ナンバンキビ 色んなことが あるけれど 私は今日も 生きていく」って…このセンテンス、後半の“取って付けた感”が半端なくないすか?(笑)   無理やり良い曲テイストに持っていこうとする、力技感というか。クライアントの意向でしょうか…そこだけ、なんかげんなりしちゃう。
『ひみつ』洒脱なサウンドが素敵。肩の力が程よく抜けた、都会的なカジュアルさ。トラックとMCのテンションがよくマッチしていて、聴いていて心地よいです。
『Navy Love』ゆったりとした雰囲気。これが「チルってる」ってヤツなんだと思います。リズムに合わせて、ゆったりと体を揺らしていたい。
『Balloon』これもまた、聴いていて心地よいミドルチューン。トラックの音数はそこまで多くなく、でもキャッチーさはあって。ラップもそれと同様、メロディアスでキャッチーなんだけれども聴いてて疲れるような激しさはない。あらゆるもののバランスが絶妙な曲。
『Fishing (Interlude)』このアルバムの名前の由来、そんなふわっとしてるんだ(笑)    そのほうが“らしさ”があるけど。
『BEER BEAR』なんか、リップスライムの『Good Day』とかを思い出しました。どこか危険で妖しい匂いを伴うヒップホップというジャンルにおいて、そういう空気が一切ない、超健全なポップチューン。よく晴れた日曜の朝みたいな雰囲気。いや、リリックの内容的にはただの酒好きなんですけどね(笑)
『12:37』なんか…ラップ、上手くない?(笑)   いや、プロでやってる人を捕まえて「上手くない?」も何もないんですけども…この曲は特に、ラップの巧さが印象に残りました。ラップというとどうしてもライムなり即興性に注目が行きがちな気がするんですが…この人たちは、お二人とも、リズムの“掴み方”と言葉の乗せ方が巧いと感じました。聴いていて、気持ちがいい。
『Summer day』配信シングル。シングル単体で聴いてた時より、本作のアルバムとしての流れの中で聴くほうが断然イイ!   単体で聴いた時は正直、「悪くはないけどパンチが弱くない?」って思う部分があって。でも、このアルバムの中で聴くと、立体的に浮き立って聴こえてきた感じがします。
『仲直り村』なぜに“村”?という疑問は残りつつ(笑)、曲はもう、ほんと、ふつーにいい曲。感傷が漂うメロウチューン。リリックも、フックのメロディも、トラックメイキングも…全部好き。リリックねぇ…自分が穏やかな状態なら「若いなぁ」って思うけど、いざ自身が誰かと関係をこじらせたりしたら完全に「それな!」ってなるんですよね。結局、この手の話には大人も子どもも、経験値の高低も関係ないんだと思う。
『switch』配信シングル。メジャー1st.までを聴いたところでこの曲をDLして聴いたら、「うんうん、チェルミコってこの感じ」という感想でした。アッパーで、ハイテンションで、カラフルで、ガチャガチャした賑やかさで。でも、本作アルバムのカラーはそこまでのチェルミコの雰囲気とは結構違ったので、“このアルバムに入ってるこの曲”という意味では、ちょっと毛色が違うというか、そんな印象。1st.に入ってたら「王道チューン」だったろうに、このアルバムにおいては「アクセント」になってます。
『Bye』これもまた、しっとりとしたミドルバラード。コーラスが膨よかな感じで重なってたり、トランペット(でしょうか?)のノスタルジックな音が重なってたり。エレピもいい味出してるし、サウンドにとても聴き応えがある曲ですね。


そんな、計12曲。
ほんと、前作『Power』とはまた結構趣を異にした、ちょっと大人っぽい雰囲気になったような印象のある一枚でした。BPM的なものもあるんだけど、トラックメイクに関しても落ち着きと深みが出た気がするし、なんかラップも巧くなってる気がした。
意外と…と言ったら失礼ですが、息の長いアーティストになったりして。楽しみ。




お気に入りは、#02 『爽健美茶のラップ』#03 『ひみつ』#05 『Balloon』#07 『BEER BEAR』#10 『仲直り村』




この作品が好きなら、・『ハルカリノオカワリ』/HALCALI・『Y.I.M』/Y.I.M・『はじめての○○図鑑』/xiangyuなどもいかがでしょうか。




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