ROCKIN’ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン)  1997年6月号>活字で音楽(読書感想文)>タイトル:ROCKIN'ON JAPAN 1997年 6月号>著者:ROCKIN'ON JAPAN 編集部>出版日:1997年 5月 16日>記事作成日:2019年 6月 15日




読みました!
昔の雑誌を読み返すシリーズ!!!モノが捨てられないぼくは、敬愛するMr.Childrenが表紙を飾る雑誌も御多分に洩れず捨てられなくて。なので、これを機に読み返し、それを以って処分しよう(それでも捨てられないので自炊して電子化しよう)という…そのための儀式みたいな感想文(笑)
今回は『ROCKIN'ON JAPAN』の1997年6月号。いやぁ、我ながら、よくとっといたもんだ。タイミングとしては、『深海』『BOLERO』という2枚のアルバムを立て続けにドロップして、恐ろしく長いツアーを回って、そして活動休止に入ったタイミングでのインタビューですね。時期が時期だけに、今からじゃ想像がつかないような恐ろしく病んでる桜井さんが、そこには居ました…。
ちなみに…もちろん今回も、どーせやるならという事で、ミスチルの記事以外にもひと通り全ての記事に目を通しました!(斜め読みのところも多々あるけれど…)



まずは、メインの桜井さんロングインタビュー。丸刈りにニットに無精髭という、それだけでも今からは想像がつかない桜井さんの姿を収めたカラーグラビアを経て、ロングインタビューへ。“(『深海』レコーディング中は)ほんとにもう、いつも「死にたい、死にたい」っつう感じでしたからね” “覆面ミュージシャンだったらどんなにか良かったかなと思いますけどね” “(長いツアーについて)正直言ってツラかったですね。本気に「今日はやりたくない!」っていうのがありましたね。「金なら払う!」っていう”、、、発言をいくつか切り取っただけで、すでにこの当時の桜井さんがいかに追い詰められていたのかっていうのが分かる感じ。いやぁ、この時点でここまでモンスターバンドと化していたわけだけど、このタイミングでお休みが取れて本当に良かったなぁと思います。ここで休めてなかったら、Mr.Childrenというバンドは早いうちに空中分解していたのでは…。興味深かったのは、小林武史Pとの関係性について。この時期に出ていた不仲説について、“もともと不仲も何もなくて。仕事上の付き合いであるから、もちろん酒を飲んでいろんなことを相談する相手でもあるんだけど、やっぱりそれ以上にプロデューサーなわけで。だから音楽のことで凄い人だなあっていうところでしかないから”という発言があって。更に、“今までは小林さんと一緒にデモ・テープみたいなのを僕と2人で作ってたんだけど、今度(『シーソーゲーム』の辺りらしいです)は僕がデモ・テープっていうものをきちっと作りたいーーそれは1人でどれくらいのことができるのかってことを試したかったのもあって。その辺から少し小林さんは僕らに任せるっていうか、「じゃあ自分たちでやってみなよ」っていうか”…と続く。これ、アルバム『REFLECTION』の辺りの、小林Pから独立してセルフプロデュースに移行した辺りでも同じような経過を辿っていたようにぼくには思えて。ケンカ別れとかそういう分かりやすいシナリオを部外者は想像しがちだけど、きっとそういう事ではないんだろうなぁ…って。まぁ、後年の別の雑誌ではこの時期の事を振り返って小林Pが「仲、悪かったっすねぇ(笑)」って言ってましたが。ま、ほんとに険悪ならそんな事も言えないでしょうからね。ありそうだけどあまり無かった、Mr.Childrenと小林Pの関係性に言及した発言。読み応えがありました。
次に印象に残った記事は、GREAT3さん。正直、このバンドの事は知らなかったんだけれども…フロントマンの片寄さんというお方のロングインタビューなんだけれども、まぁとにかくネガティブ(笑)   インタビュー中に“Mr.ChildrenやL⇔Rと同期”という発言があったので、そういう世代のバンドなんだとは分かったんだけれども…兎にも角にも、自己否定感が凄い。逆に興味を持っちゃって、ベスト盤をレンタルしてきて聴くに至りました。かっこいいじゃないか!確かにドカンと売れるタイプではないのかもしれませんが、「音楽玄人が好みそう」って感じがしました。これは、このインタビューのタイミングでリリースされてるオリジナルアルバム『Romance』も、チェックしないわけにはいかなくなりました!
ネガティブというと、フラカンの記事も印象的でした。ボーカル鈴木さんの、ネガティブというかしみったれた感(笑)というかが、もう今の感じと変わらなさ過ぎてびっくりした。
SUPER BUTTER DOGの記事でも、色んな事に驚いた。まず…6人いる!(笑)   ぼく、ハナレグミから遡ってバタ犬を聴いたクチなので、リアルタイムをあまり知らなくて。でも、アー写見たら6人いた!   しかも、池ちゃんさんの他に更に一回り大きいアフロの人が居る(笑)  池ちゃんさん、小アフロだった…。永積さんと池ちゃんさんの歌詞の共作について、“世界観は僕の中にあって、何となく。で、それに見合う「バンジージャンプ」とか、そういう言葉は池田くんが色々出して…”って、今のレキシのスタイルとそんなに変わらなそうな感じの事を、この時代からやってるんだなぁと思いました。
あとは、グラサンしてないスガシカオさんとかね。シングル『黄金の月』のリリースタイミングでのインタビュー。“前のヤツ(=『ヒットチャートをかけぬけろ』)はとりあえずドーン!と出せばみんな分かってくれると思ってたんだけど、そんなことは全然なくて(笑)、だからたとえば今回の曲順にしても、いろんなものを伝えるためにはこの並び(=表題曲を真ん中に挟むという変則形)じゃなきゃ駄目だっていう”という発言に、すでに今と変わらないキャラが垣間見えました。マーケターの視点で、ご自身を圧倒的に俯瞰で捉える。そして、作品のためなら既成概念を取っ払う発想力と行動力がある。たかだか見開き2ページの記事だったけど、読み応えがありました。


そんな、計246ページ。
ミスチル(桜井さん)、GREAT3(片寄さん)、フラカン(鈴木さん)、、、この時代のこの世代は、なんか病んでたんですかね?(笑)   業界が未成熟だったのか、そーゆーのがある種のトレンドだったのか、はたまた完全な偶然なのか。かと思えば、フラカンの曽我部さんは絶倫状態だし、スキップカウズはそこそこに大きな事言ってるし、ピエール瀧さんは王様のカッコしてるし…なんか、面白い人がいっぱい居たんですねこの時代には。最近のアーティストって、ちょっとお行儀良すぎで個性に欠ける感じがあるのかもしれないなぁ。









ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!▶︎音楽雑記帳