>オリジナルフルアルバム>タイトル:群青リフレイン>アーティスト:wacci>リリース日:2018年 11月 7日>記事作成日:2019年 1月 15日




聴きました!
久しぶりに聴いたなぁ、wacci。なんか、(失礼ながら)そんなに積極的に聴きたくなる感じでもないんだけど、気まぐれで過去作を聴いたりふとラジオ等から流れてくるのを耳にしたりすると、「やっぱいいなぁ」ってなるんですよね。


『最上級』エモーショナルな曲からスタート。のっけからハイライト!って感じの、凄く存在感のある曲。滲み出る情熱と、ほとばしる一途さと、無防備とすら言えるような無垢な想いと。“ラブソング”って、こんな曲の事を言うのでしょうね。
『ワンセット』優男感満点。うん、この人たちの音楽を一言で表すならば「優男」だな、自分で言って大納得(笑)。どこまでも優しくて、やわらかくて、温かい曲。でも、心が邪なぼくみたいなヤツが聴くと、眩しすぎて溶けちゃいそうなくらいなんだよこの爽やかさは…。
『ヒーロー』パワフルなポップロックチューン。このヤンチャでエネルギッシュな曲は、高音質のヘッドフォンなんかじゃなくて敢えてオモチャみたいに安いイヤフォンで爆音で聴きたいかも。音なんか割れちゃったりしてるといいですね、そんな感じで、もうノリに任せて聴いていたい。
『別の人の彼女になったよ』ポジティブさと優しさとに早くも胸焼けがし始めたぼくのような邪なヤツに有り難いセツナ曲。スウィートなミドルチューンが展開するのは、お別れの歌。シチュエーションは、結構限定的なのかな。“前の人”と“今の人”の影が、両方ともありありと感じられる表現。まぁ、ちょっとドラマチック過ぎるというか、この歌詞にまんま共感出来る人ってのはそう居ない気はするけど、「なんかきゅんとしたい」時にはいい曲なんじゃなかろうか。すげー前のめりにポジティブを手渡してくるバンドのイメージが強かったので、こんな感じの曲は新鮮味があっていいですね。
『空に笑えば』良い流れです、次は『空に笑えば』。これもまた哀愁と切なさが漂うバラード。挫折があってこその希望を、失敗があってこその明日を、迷いがあってこその前進を、切々と歌っています。陰があってこその輝きを描いているような歌詞がいいです。そして、作り込まれたアレンジ。もっとあからさまに感傷的なトラックにする事も出来ただろうに、あくまでもキャッチーでマイルドな感触にしておく事で、歌詞のセンチメンタルがより映えています。冒頭数曲のような優男感たっぷりの曲がずっと続いたら胸焼けしちゃっただろうけど、こういう曲が入ってくる事でアルバム全体が凄く聴きやすくなっているように感じます。
『Have a good day』ここまでの流れがあるからこそ、次のこの曲みたいな曲も映えてきますよね。『最上級』→『ワンセット』→『ヒーロー』→『Haveー』とかだったら、「もうお腹いっぱいだよぉ」って絶対なってた(笑)。毎日ハンバーグじゃ飽きちゃう感覚。ハンドクラップが楽しげな、カラリとしたアッパーチューン。適度にユーモアも盛り込まれていて、聴いていると心が軽くなります。
『タフネス & サバイバー』なんか、『別の人のー』がそれまでのアーティストイメージと違いすぎて賛否があったみたいな記事を読みましたが…ぼく的にはこっちの曲のほうがよっぽどイメージを裏切られましたよ(もちろんいい意味で)。ちょっとシニカルでコッテリした感じのアレンジは、『Weekly Weekday』なんかに通じる感じもあるけど。あの曲が大好きなぼくは、当然のようにこの曲も好きになりましたよ!
『月のむこう側』贅沢感もあるシティポップ。サウンドがラグジュアリー。南の島でのバカンスをする際にはBGMにしたい(南の島のバカンスなんてしないけど…出来ないけど!)。何度も言うようだけど、ともすると胸焼けしてしまいかねないくらいにグイグイにアツい作風のこの方々なので、そうではなくこうやって余裕のある音楽も織り交ぜながら聴かせてくれるようになったのは嬉しい限りです。
『花束にして』優しいワルツ。バリエーションが豊かだからこそ映えてくる、こんなストレートなメッセージソング。ぼくは両親と距離を置いたままだったからなぁ…勝手に、ちょっと切なくなるきょくではある。
『wallflower』再び、優男感が炸裂。
ストリングスも重なる、自然体だけど華やかなサウンド。そして、敢えてテンション抑えめ(多分)のヴァースと、サビで一気に広がっていく対比がまた良い。これはもう、2〜3月くらいにラジオから流れてきたりした日には中高生なんかは感涙モノなんじゃないでしょうか。
『Answer』ポップなアッパーチューン。これもまた、前向きな歌詞。離れていても幸福感を感じる事が出来ている2人の物語。ヒネクレ者としては、「相手も同じように思ってくれてればいいけどね。。。」なんて思ってしまうけれども(笑)。距離ってのは、想像以上に厄介みたいですからね(多分)。
『群青』ほぼタイトル曲と言って差し支えなかろう。バンドはオーソドックスなプレイなんだけど、その分だけ伝わってくるものが多い曲…という感じでしょうか。こういう曲で変に楽器が主張してくると、せっかく熱のこもったリリックの伝わり度が半減してしまいますからね。その辺のバランス感覚も、よく分かっていらっしゃるバンドなんだと思います。
『ガッツポーズ』ラストチューン。ピアノとアコギによる、ごくシンプルな曲。それにしても…極めて限定的な歌詞なので、何かのタイアップなのかと思って調べてみたら…オリンピックのタイミングでのスピードスケート高木姉妹に贈った曲なんですね、、、いや、フツーに、「オリンピックが思い起こされて感動する!」とか「wacciの高木姉妹への想いが泣ける!」とか、そういうので良いとは思うんです。そういうのが良いと思うんです。でも…ぼくみたいにスポーツ観戦に興味がなくて音楽が好きなヤツからすると、「こういう曲を作って高木姉妹に贈るのは自由だけど、商業作品に収録する必要、ある?」「ぼくは高木姉妹じゃないけど、どんな顔して聴いたらいい?」ってなっちゃって。例えばMr.Childrenの『GIFT』とか、ゆずの『栄光の架橋』とか…ああいう曲は固有名詞や特定の誰かのエピソードを使っていないのに「聴き手一人ひとりが“自分の曲”だと思える」曲だし、だからこそ商業作品に入れる意味が大きい。対してこの曲は、「この曲に意味がない」となど一切思わないけれど、「商業作品に入れる意味」と問われると、ちょっと、うーん…って。むしろ個人的には、サブスク辺りで高木姉妹にプレイリストを作ってもらって、そこにだけ入ってるくらいだったら経緯も含めて感動した気がします。…いや、ぼくがスポーツ観戦に興味があればそれで済んだ話なんでしょうけど(笑)。


そんな、計13曲。
まぁ、最後の曲が、ぼく的にはちょっとうまく飲み込めなかったけど、全体的には凄く素敵なアルバムだったと思います(繰り返しになりますが、『ガッツポーズ』も素晴らしい曲ではあるのです!)。メロディラインはいちいちキャッチーだし、演奏とアレンジにはバランスの良い緩急があるし、歌詞にはあらゆる物語が詰め込まれているし。だいぶ“優男感”は薄れてきた感じはあるけれども、この先もどんどんそこの枠を取っ払っていって欲しいなぁと思っています。甘いだけの男は、つまらないですからね(笑)。




お気に入りは、#01 『最上級』#02 『ワンセット』#04 『別の人の彼女になったよ』#05 『空に歌えば』#07 『タフネス & サバイバー』#10 『wallflower』




この作品が好きなら、・『2-NI-』/ゆず・『Free Bird』/Rake・『musium』/スキマスイッチ

などもいかがでしょうか。





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