>オリジナルフルアルバム>タイトル:DELICIOUS.>アーティスト:TWEEDEES>リリース日:2018年 10月 31日>記事作成日:2018年 12月 28日
聴きました!
ボーカリストの清浦夏実さんと元シンバルズの沖井礼二さんによるユニットの最新作!…いや、最初の頃は、てっきり「2人のアーティストによるコラボ作品(単発のプロジェクト)なのかな」って思ってたんだけど、ガッツリと活動を続けてますよね。確か、本作でもう3作目くらいなハズ。
タイトルチューン『DELICIOUS.』からスタート。清浦さんのボーカルはソロ作を思わせるような幻想的な部分があって、でもトラックメイク的にはアッパーで煌びやかで華やかなテンション。コーラスが厚くて、それがキラッキラのトラックと良い意味のギャップになっていて、聴いていて面白い曲。野宮真貴さんとかの感じ…もっと言うと、小西康陽さんの作風を彷彿とさせますよ。
『花束と磁力』。さすが、ボーカリストとベーシストによるユニット。ベースの存在感がとてもいい感じ。パーカッシブルなベースを軸に、跳ねるサウンドが爽快感を与えてくれます。
可愛らしさが全開の曲、『少年の見た夢は』。鍵盤が刻む軽快なリズムと、軽やかで柔らかなリズム隊。そこに、端々で特徴的な音を出すギター。フレンチポップ的なふんわり感と、USポップス的な華やかさと、J-POP的な彫りの深さが組み合わさったような曲。さらりと聴けるんだけど、実は相当に凝った事をしてますよね。
雰囲気が一転、グッと抑えたテンションの『昼夜逆転の歌』。不穏とすら言えそうなAメロと、緊張感を引き継いでのBメロ。そこから一気に「開けていく」感じのサビへ。まぁ、このユニットなので、サビでこういう展開をするだろうなぁというのは予測がつきましたが。
可愛らしいワルツ、『エトワールはオルゴールの中で』。たしかに、オルゴールっぽい雰囲気の曲。直接的に「音色が」というのではなく、曲全体が醸し出す雰囲気が。
カバー、『東京は夜の七時〜21世紀の子供達』。さっき上でも野宮さんや小西さんの名前を挙げましたが、ここでピチカート・ファイヴのカバーが。いや、カバーではあるんだけど…あの印象的なサビ以外、ほぼオリジナルじゃねーかという(笑) まさか話題作りってワケでもないだろうに、この展開はびっくりしました。けど、あまりに違和感がない仕上がりによりびっくりしました。沖井さんが本気出した感じ?清浦さんの、野宮さんに寄せてるワケじゃないんだけど彷彿とさせる感のあるボーカルも良かったです。
『不機嫌なカプチーノ』。初期のcapsuleのような、洒脱なポップス。とにかくキラキラしていて、ふさぎ込んだ気持ちで聴いても確実に気分が上向くと思う。
タイトルがすでに良いです、『美しい歌はいつも悲しい』。でも、タイトルから受けるイメージはもうちょっとセンチメンタルな曲調だったので、引き続きのキラキラサウンドに、勝手にちょっと「おや?」という感じを受けてしまいました…。乾いた質感の音にキラキラフレーバー、この方々の真骨頂かなぁと思います。でも、その側面はもう充分堪能したので、そろそろちょっと違う角度からの曲も聴きたくなってきます。
…そんな気持ちを汲んでくれたのか、キラキラ感は控えめでメルヘンな質感が前に出たワルツ『間違いだらけの神様』へ。Eテレ『みんなのうた』とかで流れてそうな感じの、間口の広い曲。ポップス好きも、子どもも、きっと年配の人の耳にも馴染みやすいんじゃないかと思う曲。
ラストは『作戦前夜』。クリスマスに聴いたらさぞぴったりだろうなぁ。これ以上のないクリスマスソング。月明かりや雪明かりに照らされた、さりげなく光る明るい夜が目に浮かぶようです。日本のガチャついたそれよりも、北欧とかの落ち着いたクリスマスの風景により似合いそう。
そんな、計10曲。
らしさ全開というか、どの曲も本当に「珠玉のポップス」というのにふさわしい作品だったと思います。とにかくキラッキラしてました。
一方で、後半はちょっとキラキラに食傷しちゃった感じがあるかも…どんなに有名なパティシエが作ったどんなに美味しいケーキでも、5つも6つも出てくると「もういいです…」ってなっちゃうような。醤油せんべい的なものも、織り交ぜてあったらより良かったかなぁと。甘い、しょっぱい、甘い、しょっぱい…。
お気に入りは、#01 『DELICIOUS.』#03 『少年の見た夢は』#06 『東京は夜の七時〜21世紀の子供達』
この作品が好きなら、・『Swingin' Street 3』/dorlis・『Organic Plastic Music』/orange pekoe・『ハイカラ・ガール』/capsuleなどもいかがでしょうか。
iPod classicには入れておきたいレベルf^_^;)
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