新空間アルゴリズム(通常盤)
>オリジナルフルアルバム>タイトル:新空間アルゴリズム>アーティスト:スキマスイッチ>リリース日:2018年 3月 14日>記事作成日:2018年 5月 24日




聴きました!
ホントのところは知る由もありませんが、ある時から「ギア」を入れ替えてきたように聴こえるスキマスイッチ。デビュー直後はちょっとヒネた感じもあったけど、ブレイク以降はとにかくポップチューンを放つ事に注力してきた印象があって。で、ソロ活動を経たあとに、個人的には「ちょっとマンネリ気味かな」なんて思ってた時期があるんだけど、『musium』の辺りからなんか加速度を増した感じが。それ以前が「スキマスイッチの枠の内側」だとしたら、以降は「枠の外側」というか、むしろ「枠無し」になった感覚。以降、スキマの新作が毎回楽しみで仕方ないんですよねぇ。


ポップでファンキーな『リチェルカ』からスタート。テイストとしては初期の『螺旋』なんかに通じるものがある気がするけれども、スケール感は何倍にも広がっている感じ。大橋さんもシンタさんも、それぞれが遊び心に満ちている感じが伝わってくるのも嬉しい。
シングル曲の別ミックス、『LINE(shinku-kan mix)』。元々分厚いロッカバラードでしたが、このアルバムのこの位置、この流れで聴くとますますそれが際立って伝わってきます。正直、シングルで聴いた時よりも格段に好き。
『パーリー!パーリー!』。タイトルから想像したのはイカツくてギラついたパーリーピーポーな曲だったけど(笑)、実際にはむしろ初期のスキマスイッチ感満点の優しいポップチューンでした。冒頭で「スキマスイッチという枠が無くなった」と言ったけど、だからって以前の作風を無かった事にするんじゃなくてフツーに繰り出してくるところも、好き。
アコースティックサウンドが小気味良い『ミスランドリー』。ブラシスティックかな、軽やかなスネアとアコギのアルペジオの相性が抜群。こもったボーカルは、むしろヴィンテージ感とノスタルジーとを放っていてGood。
感傷的なミドルポップ『Revival』。まさに、歌詞でも描かれているような晩夏の切なさ。昼間の日差しの熱さが残りつつも少し冷たい風が頬を撫でる、あのなんとも言えないセンチメント。これは、名曲。鳥肌が止まらない。まさに夏の終わりという時期に聴きたい。でもその時に聴いたらもう泣いちゃいそうで怖いから、聴きたくないかも(笑)
シンタさんのピアノと大橋さんのボーカルによる、シンプルな編成の『未来花』。声とピアノ、それだけでこんなに豊かな情感って出せるもんなんですね。イメージ的には、「塩だけかければ絶品の、高級料理」って感じ。しなやかなのに脆さもあって、繊細なのに情熱的。
昨年のロッキンで生パフォーマンスを目の当たりにして圧倒された、『ミスターカイト (shinku-kan mix)』。なんて壮大なのか。なんてドラマチックなのか。なんて情熱的なのか。「一番/二番」とかそういう単位じゃなくて「曲」単位で1つの表現をしているという…発想の柔軟性に驚くばかり。
繊細なアコースティックサウンド、『Baby good sleep』。優しいけれども優しいだけじゃなくて、切ないけれども切ないだけじゃない。なんとも奥深く、多面的で、表情豊かな曲。
元気が弾ける『さよならエスケープ』。温かく懐の深いサウンドとメロディ、それはスキマの真骨頂。大橋さんの歌声が、とにかく温かくて。前向きな歌詞が、大橋さんの声質と表現力によってますます説得力を増している。
そして、ラストは『リアライズ』。グッと抑えた感じの前半と、徐々に厚みを増していく中盤と。そして、ストリングスを含めてバンドが「総力戦」といった感じになる終盤へ。このアレンジなんかを見ていると、シンタさんは本当に小林武史Pの影響を受けた世代なんだなぁというのがよく分かります。つまりはぼく好み(笑)


そんな、計10曲。
今回も、期待を裏切らない…というか易々と上回っていく出来のアルバムでした。あらゆるアプローチが盛り込まれているのに、曲としての、そしてアルバムとしての統一感もしっかりあって。スキマスイッチ「らしいもの」から「そうでないもの」まで、ありとあらゆるものを聴かせていただきました。まぁ、強いて言うなら…例えば『ユリーカ』だったり『Ah Yeah!!』的なゴリっとしたアッパーチューンが一曲あったらもっと嬉しかったかなぁと。




お気に入りは、#02 『LINE (shinku-kan mix)』#04 『ミスランドリー』#05 『Revival』#06 『未来花』#07 『ミスターカイト (shinku-kan mix)』




この作品が好きなら、・『シフクノオト』/Mr.Children・『FURUSATO』/ゆず・『北極星』/藤巻亮太などもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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