>オリジナルフルアルバム>タイトル:キラーチューンしかねえよ>アーティスト:ゴールデンボンバー>リリース日:2018年 1月 31日>記事作成日:2018年 5月 3日




聴きました!
あれは16年のロッキンでした。初参戦のロッキンで、初日の一発目の枠で早速「特に観たいアーティストいないなぁ」となり、「じゃあ、テレビでよく見る金爆でも観てみますか」と軽い気持ちで行ったのが最初。むしろそれまでは、「おふざけで音楽やる人は好きじゃないなぁ」と思ってました。『女々しくて』もフル尺を聴いた事がなかったし、「同じ曲で毎年紅白に出るのも…」とも思ってた。でも、実際にライブを観たら…目からウロコでした。真剣にはしゃいでて。全力で楽しませようとしてるのが、斜に構えて観てたって伝わってきて。それ以上に…単純に面白くて。以降、気持ちはリスペクトに変わりまして、フェスやイベントに金爆の名前を見つけると必ず彼らのステージを選びまして、そして現在に至っております。
でもまぁ…ぶっちゃけると、新作音源をタイムリーに聴くのは今回が初めてで(『#CDが売れないこんな世の中じゃ』は買って聴きましたが!)。ライブで、パフォーマンスとセットになって楽曲を楽しめる場合の楽しみ方は知ったつもりでしたが、単純に楽曲オンリーで聴いた時にどう感じるのか…楽しめるのか、「パフォーマンスで補完されてない楽曲は、単なるスベり芸にならないか(失礼)」等々の不安が拭えなかったので。なので、期待と不安が半々で、本作をチェックした次第です。
では、前置きが長くなりましたが各曲の感想へ。


『口上』『燃やして!マイゴッド!』樽美酒氏の『口上』から始まり、『燃やして!マイゴッド!』から本編スタート。歌謡曲の匂いがする、ムーディな曲。ちょっとタンゴのリズムっぽいのが混ざってたり、よーく聴いていくとかなり芸が細かい。
『やさしくしてね』金爆のノリが炸裂した感じの曲。この方向から、現代社会の闇に切り込んだんだ(笑)。皮肉ってはいるけど揶揄しているワケではなく、馬鹿にしているのともちょっと違う。この辺のバランス感覚の良さが、金爆が生き残った理由のような気がします。
『やんややんやNight〜踊ろよ日本〜』去年のライブ『HALLOWEEN PARTY 2017』で聴いたこの曲。これはもう、ライブの時の熱を体が覚えているので今回も安心してノれる曲でした。打ち込みの音がなんだかチープで、その“懐メロ感”が良かったっす。
『水商売をやめてくれないか』なんでそんな限定的なシチュエーションを歌にしようと思ったんだ(笑)、『水商売をやめてくれないか』。まぁ、歌詞の内容的には、タイトルそのまんま。でも、自分にはまったく経験のないシチュだけど、なぜか胸がちょっとだけ締め付けられる感覚があるという不思議。メロディ(特にBメロ)が無駄に美メロなところも、個人的にはツボ。
『#CDが売れないこんな世の中じゃ』シングル曲。“見せ方”はらしいけれども、音楽業界の抱える深刻さをかなり切実にリアルに突いていると思う…。この人たちのキャラとテンションをもってしても拭いきれない、深刻さ。
『お前を-KOROSU-』この曲が…というかこのタイトルが許されるのは、日本でこの人たちくらいなのでは。どんなに「ネタだ」とアナウンスしようとも、このご時世にこのタイトルはダメでしょう(笑)。でも許せるのは、この人たちのこれまでの歴史ゆえでしょうか。
『スイートマイルーム』メロウなミドルチューン。この方々(というかキリショーさん)のトラックメイキングって、どこか昭和っぽい懐かしさを感じさせるものが多いですよね。この曲は、その最たるもの。もちろん“最新曲”と言われて違和感はないし、でも“歌謡曲のカバー”と言われてもまた信じられるような絶妙な温故知新感。
『うれしいかなしい』バイオリン(多分)の繊細で切ない旋律から始まるバラード。ちょっと、フツーにV系バンドの曲なのかと思っちゃうような美曲。繊細さの中にしなやかさがあって、中盤でバンドサウンドが重なって以降は力強さも感じられて。
『海山川川』なんか金爆っぽくないな。凄く爽やかで…爽やか過ぎて、金爆らしさが弱い(笑)。いや、別に「だからだめ」ってんじゃなくて、「フツーにノれるいい曲じゃねーか」と。
『誕生日でも結婚式でも使える歌』タイトルからしてすげえな。そして、タイトル以上に凄いそのチャレンジ精神。この曲、著作権フリー音源との事で。近年のJASRACの動向に一石を投じる感じのね。でも、“ケンカを売る”“攻撃をしかける”というカタチじゃない向き合い方をするスタンスに、尊敬の念を禁じ得ません。
『あの日君を傷つけたのは』これまた、フツーに名曲。ピアノの旋律は優しくて、ボーカルは甘く切ない。そこに飾り気のない素朴な印象のバンドサウンドが重なる事で、すごく真摯な印象の曲になっています。フツーにうっとりして聴いちゃったけど…歌詞にネタが隠されてたりする訳じゃないよね⁉︎(笑)。縦読みするとか。
『ドンマイ』そして、ラストは『ドンマイ』。前曲以上に素朴で普段着の感じがする、可愛らしくもあり実直さも感じるミドルチューン。徐々に存在感を増しながら、最後にはトラックの要になっていくストリングスにはドラマ性を感じるし。この曲、控えめに言って“名曲”だろう…。


そんな、計13曲。
冒頭で書いたような「パフォーマンスで補完されてない音源はスベり芸にならないか…」という懸念については、結果的にはNO!でした。確かに、ライブを観た時ほどのインパクトは無かった。けれども、ネタがスベってるかどうかでいえば全くそんな事はなくて、ちゃんと音源だけでも成立する面白さがあった。そして何よりも、「ちゃんと聴ける」曲が多かったし、違和感なく「ちゃんと聴ける」ようなバランス・構成になっていたというのが一番のポイントだったように思います。笑わせるだけでなく、かといって真面目一辺倒でもない。その辺のバランス感覚に、脱帽しました。
すごいな金爆。すごいなキリショー。




お気に入りは、#03 『やさしくしてね』#04 『やんややんやNight〜踊ろよ日本〜』#09 『うれしいかなしい』#13 『ドンマイ』




この作品が好きなら、・『恋の歌謡日』/ゆず・『We Love Tank-top』/ヤバイTシャツ屋さん・『Loveless, more Loveless』/メガマソなどもいかがでしょうか。




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