>オリジナルフルアルバム

>タイトル:惑星TOKYO
>アーティスト:ウソツキ
>リリース日:2017年 4月 12日
>記事作成日:2017年 5月 29日





聴きました!

去年(16年)のロッキンで初めて観て、比較的好きな匂いのしたバンド。その、2nd.フル!

今回も、キャッチーなのに端々でクセのある、独特の感じが炸裂していたと思います。



『惑星TOKYO』
タイトル曲からスタート。
キラキラのギターにはTOKYOが持つ煌びやかさと華やかさをを、そして4つ打ちのドラムスには繰り返す単調な現実を、それぞれ重ねて聴きたくなります。

『人生イージーモード』
ヤンチャな雰囲気の曲。
能天気で楽観主義な感じを出したい曲なんだと思うし、実際そんな曲ではあるんだけど…なんでか真面目さが出ちゃってるんですよねぇ(笑)。それは、ご本人たちが意図していないヤツ。その辺のギャップに、「可愛いなぁ」と思っちゃう訳です。
色々試せよ、若人!

『一生分のラブレター』
前作ミニアルバムにも収録されていた『一生分のラブレター』。
これ、前回とおんなじ音源なんですかね? アレンジが一緒なのは分かるんだけど、音がちょっと違う…録り直したように聴こえるんだけど。いや、『惑星TOKYO』というアルバムの流れの中で聴くので受け取った時の印象が違うってだけなのかな。

『コンプレクスにキスをして』
どこかコミカルな雰囲気を放つ曲。
ギターが、率先してハジケているような。そうする事で、真面目になってしまいがちなバンドのグルーヴに遊びとゆとりを生み出してくれているような感じがします。

『どうかremember me』
歌詞だけでなく、歌い方にしても演奏にしてもアレンジにしても、ポジティブとネガティブが瞬間的に入れ替わり続ける不思議な曲。凄くあったかい気持ちになる瞬間もあれば、切なさでキュッと締め付けられる瞬間もあったりして。
表現力というのは、こういう事を言うのでしょうか。

『地下鉄タイムトラベル』
雰囲気をガラリと変えて。
特に通勤ラッシュ時の、キリキリした空気がよく出てますよね(笑)。何だかよく分からないけど、とにかく急かされている気がして落ち着かないあの感じ。
ここでもまた、テクニカルなのに何故かユーモラスに聴こえるギターが良いです。でも、ドラムスは…もうちょっと、曲ごとに変化を入れてったほうが良いと感じました。

『ハローヒーロー』
パワフルな曲調と、相対するようにちょっと頼りない歌詞との、この曲。
オトナになると、だいたいこんなもんですよねぇ…子どもの頃って、無根拠な自信だけが武器ですからね(笑)。
でも、ただただ幼い頃を懐古していじけている訳ではないのがいいです。

『心入居』
歌詞が中々に独創的で、大人になっちゃったぼくには気恥ずかしさすら覚えるような、この曲。
元々は『恋学者』の歌詞のインパクトに引っかかって気になり始めたこのバンドなのですが、それと似た感じのインパクトがこの曲にはありました。
こんなに気恥ずかしい言い回しで愛を歌って良いのは、若いうちだけですな。その特権をフル活用した良曲。

『夢のレシピ』
アッパーに。
歌詞もポジティブでアクティブなんだけど、この曲に関してはとにかく演奏が勢いに満ちていて良い感じ。優等生的なマイルドさは残っているんだけど、それでも「頑張って」遊んでいる感じが。

『夢屋敷』
ミドルバラード。
何とも感傷的な曲。この、繊細でナイーブな感じを惜しげもなく披露するというソングライティングには、毎度脱帽です。普通、恥ずかしがっちゃいますよ。例え完全なるフィクションだったとしても、言い回しや表現そのものに「よくそういうこっ恥ずかしい言い回しを出来たなぁ」って感じがありますもん(笑)いやこれ、ほんと、褒め言葉!

『本当のこと』
ラストチューン。
率直な心情を吐露した、儚くとも力強いミドルチューン。ここまで比較的控えめに聴こえていたドラムスですが、この曲ではその存在感を存分に示してくれています。
どこか比喩的で、テクニカルなんだけどその分アツさが今ひとつ感じ切れない歌詞が多いですが、この曲は飾らない言葉で素直に歌っている感じがしました。



そんな、計11曲。

相変わらず、青いなぁ。甘酸っぱい! しかも、「酸っぱい」多め!!(笑)。青春というか…背伸びして大人を気取っているティーンを見ているようですわ。この青さがもはやこれっぽっちも残っていないぼくにとっては、それを味わえる作風に嫉妬すら覚えるのです。

けどまぁ…正直、もうちょっと新しい展開も見てみたかった。もちろん、ご本人たちにとってはかなりの意欲作なのだと思いますが…バンドの過去作と比較した時に、そしてシーンの他のバンドと聴き比べた時に、既視感を覚える曲が少なからずあったというのは事実。
特に、他バンドとの差別化。これを、主にアレンジの面で推し進めていったほうがいいんじゃないかなぁと。メロディとリリックがどんなに個性的でも、それだけだとライトリスナーが定着しないですからねぇ。パッと聴いた印象で、もっと唯一無二のものが欲しい気がします。

いつまでも、音楽活動を続けて欲しいバンドだからこそね。





お気に入りは、
#05 『どうかremember me』
#06 『地下鉄タイムトラベル』
#08 『心入居』





この作品が好きなら、
・『アンクロニクル』/phatmans after school
・『HUMANIA』/NICO Touches the Walls
・『グアナコの足』/GOOD ON THE REEL
などもいかがでしょうか。





サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)










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