>オリジナルフルアルバム
>タイトル:LSC
>アーティスト:ラブリーサマーちゃん
>リリース日:2016年 11月 2日





聴きました!

夏くらいに、CDショップで流れてるのをたまたま聴いてひと「耳」惚れしたラブサマさん。
本作は、初回盤にはボーナスディスクも付いている豪華なメジャー1st.です!



まずは、本編Disc 1から。

スタートは『あなたは煙草 私はシャボン』。
空間系エフェクトの効いたギター(多分)と直列っぽいストレートなギターの音色の絡みがなんとも言えず現代的に響く、軽快なのに凄く切なくて儚げな曲。
年上の彼氏とコドモな自分との関係性の対比が端的に切り取られているタイトルも秀逸。

一転して、どっしりとしたテンポでラウドなカッコ良さを放つ曲『PART-TIME ROBOT』へ。
洋楽の青春系ロックンロールみたいなイメージ…いや、洋楽はからっきしなので、完全に断片的なイメージだけで言ってますが(笑)

メロウなバラード、『青い瞬きの途中で』。
これはまた、前曲とはまったく違う切り口からの青春を感じさせる曲ですねぇ。オトナとコドモの間で色んな気持ちが揺れ動く、思春期の感じがとても綺麗な言葉と描写で表現されていて…そのアンバランスさが美しい。

泉まくらさんを迎えての『202  feat.泉まくら(New Mix)』。
最初にラブサマさんに興味を持ったのって「泉まくらに雰囲気が似てるなぁ」と思ったからだったので、このコラボは嬉しかったですねぇ。
でも、雰囲気のみならず声質やボーカルスタイル自体がよく似てるので、コラボ感が薄い(笑)「ラブサマさんはラップまでこなすのね」と思ってしまいかねないです。
少ない音数で、手数の少ないビートで、シックな印象の大人びた曲になってます。

ボーカルラインのインパクトが尋常じゃない『私の好きなもの(New Mix)』。
デジタルなビートは野太くて、その上で踊るようなシンセの音が弾けていて。凄くポップでカラフルでキャッチーなテクノポップなんだけど…目立つところに乗っかってる言葉は「カニのお雑炊」とか「月曜日〜月曜日〜」とかばっか(笑)
ここまでキャッチーなトラックにここまで奔放な歌詞を充てられるって…若者のセンスって怖い(笑)

まるで唱歌的な普遍性を帯びたメロディラインが印象深いロッカバラード、『月の光り方』。
歌詞やアレンジには、最新のポップカルチャーのエッセンスがふんだんに盛り込まれているのですが、メロディに関して言えば、まるで『蘇州夜曲』とかのような名曲感があるんですよねぇ。コンポーザーとしてのポテンシャルがハンパない。

『水星』。
「あれ?聴いた事あるぞ」と思ったら、tofubeatsさんの曲のカバーでしたね。ピアノによるシンプルなトラックが、透明感に溢れていていい感じ。
華奢で淡い歌声が、最も映えるアレンジだと思います。

アコースティックサウンドが柔らかくて穏やかな、『わたしのうた』。
割と打ち込みを多用したデジタルなトラックが多かったですが、この曲は生の温もりが伝わってくる、息遣いまで聴こえてくるようなナンバー。アレンジまでご自身でこなされていて、それでこの振れ幅の広さというのはちょっと驚きです。末恐ろしいルーキー。

タイトルが凄いな(笑)、『魚の目シンパシー』。
何かの比喩か、もしくは「さかなの目」に関する何かなのかと思ったら、完全にアノ魚の目の曲でしたね(笑)
魚の目をテーマにしながら、どうしてこんなにポップでキャッチーな曲が出来上がるんだ!…感想のセリフのところは小っ恥ずかしいけど(笑)

曲タイトルのドリーミンな感じとは違ってポップで勢いのあるナンバー、『ベッドルームの夢(New Recording)』。
ソロアーティストさんですが、トラックのバンド感が凄いなぁと思いました。ガールズバンドがシングルとしてリリースしそうな曲、というイメージ。

テンションをグッと絞って、『天国はまだ遠い』。
例えばSleepy.abさんのような、幻想的なインスト。そんな感じの、じっくりと尺を取ったイントロが特徴的。
そして本編に入って以降も、幻想的な世界観は終始続く…。

ラストは、再びザクザクしたギターの音色が心地良いタイプのポップロックソング『僕らなら』。
これもまた青春してますねぇ。ここまでの道のりとこれからの未来とに想いを馳せる、熱い言葉が詰まったミドルチューンです。
シチュエーション次第では、泣いちゃうかもしれませんねぇ。

そんでもって、シークレットトラック。
シークレットにしてるくらいなのでぼくも言及は控えますが…何なんだこのテンション(笑)
好き。



続いて、客演したテイクやリミックス音源等を収めたボーナスディスク、『ETC』へ。

まずは『LOVE♡でしょ?』からスタート。
プログラミングは無敵DEAD SNAKEさんという方だそうです。
和楽器の音色をフィーチャーした曲。現代的なバンドサウンドと和楽器が絡み合って、艶やかかつクールな仕上がりに。このハイブリッドな感じが、まさに「若者の感性」って感じですよね(笑)

nagomu tamakiさん作品へのゲストボーカルというカタチでの作品、『Song 4 U』。
凄くクールで、エッジが効いていて。同じDTM系統ではあるんだけど、本人名義の作品とはまた一味違った感じがしています。

ご自身が所属していたバンドFor Tracy Hydeの曲だそうですね、『First Regrets』。
リズム隊が主張する、バンド感に溢れる曲。メロディはキャッチーで耳馴染みも良いですが、アレンジにはもうちょっと個性が欲しかったかもー。

続いてもFor Tracy Hydeの曲、『Another Sunny Daze』。
前曲よりも、バンドとして何を狙ってるのかが分かりやすく伝わってくる感じを受けました。よくまとまっていて、カッコいい曲だと思います。

ソロ名義に戻って、『最高の夜だぜ』。
ご本人の名義ですが、Disc 1に入ってるような曲とは雰囲気がだいぶ違いますね。どういう経緯で出来た曲なんでしょうか。
アコースティックなバンドサウンドにトランペットの音が重なったりしていて、例えるならばザ・なつやすみバンドさんのようなテイストに近いかなぁと思いました。

今度は宇宙ネコ子さん作品のフィーチャリングアーティストとして、『Divine Hammer』。
コーラスワークが流麗な、爽快感のあるポップチューン。ラブサマさんのソロ音源と通じる雰囲気がありつつも、このクールな爽快感は新しいかも。

『私の好きなもの』のリミックスバージョン、『私の好きなもの( Yunomi Remix)』。
オリジナルよりも色んな音が重なっていて、おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな仕上がりになっていると感じました。

お次は『笑い話(Lovely Club Mix)』。
オリジナルは、旧くからある曲のようですね。デスクトップ上でコラージュした感が満点の、とてもリミックスリミックスしたリミックス(笑)
オリジナルは聴いた事ないなー。ぜひ聴いてみたいなぁ。

ラストは、『あなたは煙草 私はシャボン(Herrokkin Remix)』。
オリジナルよりもデジタル要素がだいぶ増してますが、けれども曲全体の雰囲気というか世界観というかはあまり変わってなくて。上手なリミックスだなぁと感じました。



そんな、2枚組計21曲。

大ボリュームですね。なのに、確か3,000円しなかったような…。凄い!

これだけ独特な歌声の持ち主で、楽曲的にも統一された世界観なのに、2枚分を一気に聴いても全然飽きが来ない。これって、かなり凄い事だと思うのです。
しかも、ソングライティングからコンポーザー、そしてアレンジまでをもご自身が手がけているという。いやはや、才能のカタマリですね。「クール」というよりは「キュート」なので、あまりこう…「カリスマ」という感じもしないのですが。でも、そのポテンシャルは、宇多田ヒカルさんが出てきた時を彷彿とさせる感じもするのです。

今後にも、大いに期待!





お気に入りは、
Disc 1 - #01 『あなたは煙草 私はシャボン』
Disc 1 - #03 『青い瞬きの途中で』
Disc 1 - #05 『私の好きなもの(New Mix)』
Disc 1 - #09 『魚の目シンパシー』
Disc 2 - #01 『LOVE♡でしょ?』
Disc 2 - #02 『Song 4 U』





この作品が好きなら、
・『アイデンティティー』/泉まくら
・『DAOKO』/DAOKO
・『Strawberry Cream Soda Pop Daydream』/Tommy february6
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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