そこにはカジノがあるわけだ。
暇をもてあましてしまうと、往々にして僕はカジノへと足を運ぶ。
それがたとえ日本に帰る最終日だとしても。
ロッテホテルのカジノ ロッテホテル・セブンラックは、
それほど広くない。
もちろんフリードリンク。
そしてブラックジャックとルーレットとバカラのテーブルがいくつかと、
多数のスロットマシンがある。
昼から遊んでるプレイヤーは、ほとんどが中国人。
そして、何人かの日本人。
今までカジノで遊んでる日本人なんてごく少数だったけれど、観光に来てようやく目にするようになった。
大体遊んでる日本人は、金もってそうなおじさんばかり。
僕はバカラのテーブルに着席。
最後に残った70,000ウォンを元手に戦うこととする。
最低レートは10,000ウォンだ。
このテーブル、他のプレイヤーもみな日本人。
中央に座ってた70歳弱と思しき男性が、
「ほれ、お金落ちてるよ、ここに」と言っては、
僕が掛ける金額の5倍や10倍を掛け、
そしてどういうわけか5連勝か6連勝を成し遂げていて、
僕は「ツイテル人に便乗作戦」
を何度か取ったおかげで、
70,000ウォンを110,000ウォンへとする事が出来た。
そのツイてるおじさんは最後に1度だけ外してしまうと、
そのまま退席してしまったので、
他のツイてるおじさんを他のプレイヤーの中から見つけて、
それに便乗しようと何度かかけたが
ツイてるおじさんは
ツイてるおじさんに見えるだけの、ただのおじさんだったりしたために、
僕の残額は増減を繰り返すばかりだった。
そして、仕方なく作戦を「自分を信じる」に変更。
これは最近編み出したというか、まぁ頼りにするものが無ければ、
自分の直感を信じてみようという、要はただただ掛けるだけなんだけど、
ミソは、他の人が何掛けてるか、とか、過去にプレイヤーとバンカーがどんな割合が出てるか?
ってのを気にせずに、ただ目の前のBanker Playerと描かれたテーブルの上を見つめ、
直感で次はこれかなと、チップを賭けてみる作戦なわけだ。
とにかく何にも左右されず自分を信じてみる作戦。
これが、まぁまぁ当たった。
的中率80%以上だったはず。
結果的に僕の残額は160,000ウォンになっていた。
トータルで90,000ウォン(約7,000円)の勝ちだ。
帰りのフェリー代が稼げたところで、もういいかなと思い、
僕はフリードリンクのオレンジジュースを頂いて、
スロットで10,000ウォンをあっという間に溶かしてしまい、
カジノを後にした。