「楽な姿勢で運転してるはずなのに、すごく疲れる・・・」

という方、

 

 

もしかしたら

あなたのドライビングポジションは

間違っているのかもしれません。

 

 

 

前回までで、運転に取り組む時

心掛けて欲しいポイントなどを挙げました。

 

 

では、今回から実際に車の運転を始めてみましょう!

 

 

車のドアを開けて、運転席に乗り込んで、

シートベルトを締めて、エンジンを掛けて、

 

 

ミラーを出して、ブレーキを踏んで、

ギアを入れて・・・・の前に、

 

 

ドライビングポジションは

しっかりセットしていますか?

 

 

 

ドライビングポジション、

つまりは運転する時の座席の位置です。

 

 

うん、合わせてるよ、

運転しても疲れないように座席は倒してゆったりと・・・

 

 

残念ながら、それでは「×」です。

 

 

そのドライビングポジションでは

疲れないどころか、

確実に事故ります。

 

 

座席の位置が

しっかり自分に合っていないとどうなるか?

 

 

まず体が左右に振られます。

 

 

峠は勿論、

市街地でもカーブがあります。

 

 

そのカーブを

コーナリング(直線ではない道を曲がること)すると

速度や路面にも寄りますが、

横Gが発生します。

 

 

ジェットコースターを思い出してください。

高いところから急降下した後、

カーブを曲がっている時、

ものすごい勢いで体が外側に押し付けられますよね。

 

 

あれが横Gです。

 

 

車の運転をしている時、

横Gが発生すると体は例外なく、

外側に押し付けられます。

 

 

この時前述のように座席を倒した状態だと、

腰が滑ってしまい、操作を誤ったり、

そうでなくとも体を制御するのに必死で、

とても安全になんて運転できません。

 

 

更に、想定外の事象が起きた時に

慌てて体を起こしてから

対応するのではまず間に合いません。

 

 

では背もたれを目一杯立てて、

ギリギリまで座席を前に移動させればいいのか?

 

 

そうでもありません。

 

 

座席を前に移動させ過ぎると、

今度は視野狭くなり、

目の前を認識できる範囲が狭くなってしまいます。

 

 

また、人の体格にも寄りますが、

座席を前に移動させ過ぎると

ペダル操作が窮屈になり、

咄嗟の時にペダルの踏み替えができません。

 

 

僕はこのペダル操作が

しっかり行えるかどうかを

最も優先して座席の位置を決めています。

 

 

 

 

それでは最適なドライビングポジションについて

ご説明したいと思います。

 

 

自分に最適なドライビングポジションの決め方ですが、

必ず、「左足から」合わせてください。

 

 

下の写真を見てください。

 

これは僕の車の足元部分です。
車の中身としてはマニュアル車なのですが、
操作が簡略化され、
クラッチが排除された「2ペダルマニュアル」です。
 

ここで最初に重要なのは
左足を置いている「フットレスト」
という部分に押し付けることです。
 
 
フットレストというのは、
いわば左足の置き場所です。
 
 
しっかりと置いてください。
その状態で
強く左足を
足全体で押してみてください。
 
 
すると
シートに腰が押し付けられるかと思います。
 
 
 
もし左足が完全に伸び切ってしまった場合は
座席の位置が遠すぎます。
 
 
恐らく右足も伸び切ってしまう為、
アクセルとブレーキの操作が
まともにできないでしょう。
 
 
 
逆に左足が全く伸びないという場合は、
座席の位置が近すぎます。
 
 
近すぎてもペダルの踏み替えに支障が出て、
例えばブレーキを踏もうと
右足を引こうとしても膝が曲がらず踏めない、
 
 
右足の爪先だけを移動させて
踏み替えている人は
爪先がつっかえてしまい踏めない、
といったことが起きます。
 
 
参考までに載せておくと、
身長170cm、体重55kg、足のサイズ26cmの僕は、
左膝の曲がり角度を大体60度にしています。
 
 
この角度であれば
ペダルの踏み替えは確実に行えます。
窮屈ということも伸びてしまうということも起きません。
 
 
これで足元と腰の位置は決まりました。
 
 
 
次に背もたれと腕の角度です。
 
背もたれの角度ですが、決める時のポイントがあります。
 
 
それは「視界を優先」することです。
 
 
フロントガラスの全域が
視界に入るというのは勿論ですが、
 
 
サイドミラー、ルームミラーも
視界に入るようにしてください。
 
 
これは注視しろという訳ではなく、
ぼんやりと視界に入る
「周辺視」ができるということです。
 
 
運転中後方の確認が
最もしやすいのが
サイドミラーとルームミラーです。
 
 
後方で何かが起きた時、
周辺視をしておけば
一早く異常に気づけます。
 
 
ここでいうサイドミラーとは
「右ミラー」のことです。
左ミラーはよほど目が横についていない限り
周辺視することも難しいです。
 
 
ですが、右ミラーとルームミラーが
視界に入っているだけでも
だいぶ後方確認がしやすくなるんです。
 
 
フロントガラス、右ミラー、ルームミラーを
視界に入れるとなると、
背もたれは必然的に立て気味
になるのが分かるかと思います。
 
 
 
最後に腕の角度です。
 
 
よく「肘が少し曲がるくらい」と言われていますが、
肘よりも重視してもらいたいことがあります。
 
 
それは「肩が背もたれに密着するか」です。
 
 
不思議なもので、
肩が付いたり離れたりしている人の運転は、
どこか不安定で乗っていて安心できません。
 
 
カーブでステアリングを回す時も、
肩は離れないように
背もたれの角度を調節してください。
 
 
しかし、教習所で習った「クロスハンドル」を
行っている人はこの方法は
無理なことが分かるかと思います。
 
 
カーブを曲がるとき腕が交差する為、
肩が離れてしまうからです。
 
 
このステアリングの操作方法については
また別の記事で書きたいと思います。
 
 
また、長距離ドライブなどで
長時間同じ姿勢で運転をしていると
どんなに最適なドライビングポジションでも
疲れてしまいます。
 
 
そんなときは休憩することは勿論ですが、
ドライビングポジションについても
少しだけ、微調整してみてください。
 
 
背もたれや座席の位置を
少し変えるだけでも
疲れが取れたり、
楽になったりします。
 
 
 
あと運転中、特に横Gを感じる時には
左足をフットレストに押し付け
腰を背もたれに密着させる
ということを意識してみてください。
 
 
体が横に振られなくなるどころか、
車の挙動が嘘みたいに分かります。
 
 
 
もしも今まで背もたれを倒した状態で
運転していた方は
「すごく運転しづらい」と思うでしょう。
 
 
それは慣れていないからです。
1~2週間もすれば
「運転しやすい」と感じるようになりますよ。