先日、息子とステーキランチを食べに行ったら、テーブルの上に灯りとしてアルコール
ランプが置かれていた。
円柱と球体を合体させた凝ったガラス容器に赤い色のついたアルコールが入っており、
息子の心を掴んだようだ。
それを見るなり、嬉々として”アルコールランプの消し方”について、話し始めた。
次に”エネルギー変換効率”についての解説が始まった。
エネルギー変換効率とは、”使用目的に利用されるエネルギーと元となるエネルギーとの比”
で、日本人学校の”技術”で学習したそうだ。
この数値が大きいほどエネルギーを効率よく使用目的に利用出来ていることになる。
息子の解説によると、照明器具は、意外とエネルギー変換効率が低く、白熱電球で3~
5%、LEDでさえ5~25%。
一方、電磁調理器は、83%と高いとか。
昭和の中学校では、男子は技術、女子は家庭科を学んだため、ネズミは習っておらず、
興味深く耳を傾けていると、息子は、嬉しそうにエネルギー変換効率に関するクイズを次々
と出題し、ネズミが回答。
親子だからステーキを食べながらでもこの話題で盛り上がれるが、「将来、初デートでは、
もっと気楽な話題がいいと思うよ!」とアドバイスした。
息子は、「とても面白い話題だと思うのになぁ…」と首を傾げ、納得行かない様子なので、
「じゃあ、エネルギー変換効率に興味がありそうな女子を探して下さい。」と伝えた。
帰り道、雨で濡れた緩やかなスロープを歩きながら、ネズミが、「滑らないように足元に気を
つけてね!」と声を掛けた。
よく見たら、ザラついたタイル面だったので、「摩擦係数が、大きいから、滑りにくいか・・・」と
呟いたら、息子が、目をキラキラさせながら、「母さん、それは、いい話題だね!じゃあ、摩擦
係数について、話しながら帰ろうよ!」と言った。
念のため、「その話、長くなりそう?」と質問したら、「そうだね、5分ぐらいで終わるよ!とに
かく面白い話だから、母さんも好きだと思うなぁ・・・」と摩擦係数について、嬉しそうに話して
くれた。
いや・・・母さんは、正直、そんなに摩擦係数に思い入れは、ないかな・・・と心の中だけで
呟いておいた。
* おまけ *
会社から疲れて帰宅すると、息子が、数学のノートを持ち、駆け寄って来たかと思うと「この
問題は、いくつか解法があると思うんだけど、母さんは、どの解き方が美しいと思う?因みに
オレは、これが、最も美しいと思うんだよね!」と言っていた。
いや・・・母さんは、正直、数式に美しさを感じたことがありません・・・と心の中だけで呟いた。
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「息子が大好物の話題は、一般的に女子ウケしないと思うから、モテないだろうなぁ・・・」と
同僚(中国人)に嘆いたら、「無駄に大勢の女子にモテる必要はないわよ。日本は、一夫
多妻制じゃないんだから、たった1人にモテたら、それで十分よ!」と言ってくれ、勇気づけ
られた。