神経症のつらさは考え方が整えば、ずいぶん変わってくるような気がする。不潔恐怖というのがあるけれど、いったい不潔とはなんだろう。体液や便がーつくことだろうか。そもそも性器も、腸や肛門も体の一部だし、それらに触れることが汚いことなのだろうか。「手に付く」ことが不潔という考え方はわりと多いかもしれない。おいしく食べた物が自分の体を通り抜けて出て来たら汚物になる。性器や肛門を触るのが不潔だという考え方もあるだろうけれど、それらが体の一部である事実と折り合いをつけないといけない。生物である以上、取り外すこともできないから仕方ない。それらを備えつつも触らないことが重要なのかもしれない。それでは汚れとは何だろう。細菌のことだろうか。細菌の働きで体は生命活動を維持することができている。体に、自分の意思とは関係なく動いているものがたくさんいることにストレスを感じるのかもしれない。体感はできないが、いるという事実を豊かに思い描いてしまう想像力が本人を苦しませる。