True Blue  - 思い出に変わるとき - -3ページ目

True Blue  - 思い出に変わるとき -

ねえ、荒川さん。
思い出ってどんなふうに完成するか知ってる?
最初は鮮明で、声も憶えている。
だけど時がたつにつれて、どんな声だったのか記憶が定かでなくなる。
だんだん色が薄れてきて、セピア色になる。
最後に輪郭もおぼろげになり、思い出は完成するんだ・・・

理砂の誕生日は8月19日だった。


その前の週、12日に四谷での同期会の帰り、そう23時半頃、僕はあの子に電話した。

"今から行っていい?"ってね。


"来週誕生日だっけ?おめでとう・・・いくつになるんだ?41だっけ(笑)"

"・・・・"

しばらく間が開いた後、あの子は言った。

"あなたも来る!"

"・・・・"



ねえ、荒川さん


思い込みが激しく、わがままで、自分勝手な子なんだ・・・

バカだし(笑)

でもかわいい子なんだ・・・


結局、あの子の誕生日には行かなかったよ・・・


9月、10月は月に2回ぐらい理砂の店に行ったかな・・・



そして、そのときが来た・・・

僕は用意していたお別れの言葉を伝えたんだ・・・