もうすぐ長男の誕生日です。
誕生日が近づくと思い出すことがあります。



それは、長男がまだ小さかった頃、冬生まれの誕生日に「いちごが食べたい」と言った日のこと。


家族でスーパーに向かった、何の変哲もない日曜日の出来事でした。
でも、あのときのことは今でもはっきり覚えています。


スーパーに入ってすぐのことです。


知らない男の子が、突然息子に向かって走ってきて、パンチをしました。


一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。


幼稚園の同級生かと思って息子に聞きましたが、首を横に振ります。
まったく知らない子でした。

周りを見ても、親らしき人は見当たりません。
その子はその後も離れず、息子に何度も近づいてはちょっかいを出してきました。


私はできるだけ穏やかに、
「今お買い物をしているから、やめてね」
と声をかけました。



しばらくして、息子が「お菓子コーナーに行きたい」と言ったので、
夫と息子、私の二手に分かれて買い物をすることにしました。

その直後、遠くから子どもの泣き声と、夫の怒る声が聞こえてきました。
嫌な予感がして、急いでお菓子コーナーへ向かいました。



そこには、顔を覆って泣いている息子と、
険しい表情の夫、困った様子の店員さんがいました。

息子の指の隙間から、鼻血がぽたぽたと落ちていました。

鼻を、グーで殴られたようでした。


店員さんが事情を説明してくれました。


「弟くんがちょっとしつこくちょっかいを出してしまって…」
兄弟げんかのような口ぶりでした。


私は静かに伝えました。
「弟ではありません。初対面の、まったく知らないお子さんです」


店員さんは慌てて他の店員さんを呼び、


私は息子に鼻を押さえるように言ってティッシュを出しました。


その間に、その子は立ち去ろうとし、
夫が「どこ行くんだ」と声をかけました。


そこへ、ようやく親が現れました。
「どーしたの?」
状況を把握していない様子でした。


夫が、スーパーに入ったときからの経緯を説明しました。
やめてと言ってもついてきたこと、
そして最後に、顔を殴られたこと。
すると相手の親は、

「お友達に、またやったの?」

と子どもに声をかけました。

私は、もう一度、落ち着いて話しました。

「初対面です。
もし大人同士で、突然顔を殴られたら、警察を呼びますよね。
息子は、そういうことをされたんです」


そこでようやく、状況を理解されたようで、
何度も謝罪されました。




あの日、いちごは買いました。
誕生日のお祝いもしました。



でも、冬になると、いちご売り場に立つたびに、
あのスーパーの光景を思い出します。


子ども同士のこと、で済ませていい出来事だったのか。
今でも、時々考えます。