最近のNYジャズがヘビメタに聞こえて仕方ない(笑) テクニックは凄いんだけど、動画は超高速曲ばっかで、もっとその人のバラードとか聴いてみたいな。
30年程前のNY修行時代、黒人のジャズ・バンドでレギュラーで演奏してたけど、ミディアム・テンポの曲で「お前はいつもRushしてる(ツッコんでる)。laid-backしなきゃダメだ!」と当時70代のトランペッター、エド・ルイスに毎日の様に叱られてた。
それ以来、リズムに関してあぁでもない、こうでもないと悩んで来たのだが、最初に気付いたのは、「2,4でリズムを取れ!」と日本で学んだのが間違いであった事。バックビートは「On」のリズムが正確であって初めて成立する。そのオンがズレてると気持ち良いバックビートなど表現出来ない。すなわちシンプルに「1,3」でリズムを取った方が良いという事が分かったのだ。
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あと、スイングする為に3連符の3つ目でクリックを鳴らしてフレーズの練習もしたけど、「2,4」でクリック鳴らして練習するのと同様に、バンド内ではレイドバックどころかRushし易くなる。要は最も大切なのが1拍目なのである。
結局、「1,3」でビートをしっかり感じながら演奏した方がリズムがタイトになり、ゆったりする事も出来る。生徒にもまずは、「1,3」を足で踏みながらスケールやフレーズを練習する様に指導している。
高速テンポの場合は3拍目を省略して足を1拍目のみ踏んで、32分音符を吹くのと同様に演奏すればストレスも無くスムーズなフレージングが可能だ。これをミディアムテンポでも応用出来ないか?と結構前からチャレンジして来て、自分の中では定着した感が有る。要は細かく捉えるよりは大きく捉えた方がタイム感がゆったりするし、拍の頭さえ合えば良い訳でリズムが多少ブレても修正もし易い。
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譜面を初見で読む時(特に変拍子など)とかは難しいけど、慣れたらなるべく大きく捉えて譜読みする様にしている。やはり、そちらの方がゆったり演奏が出来てニュアンスも付け易い。一音一音の音価も十分に取れる。
そして、最近は更に足で踏む事を辞め、クリックが聞こえた瞬間に吹き始める…という訓練をしている。短距離走の選手がピストルの合図で素早くスタートを切るのと同じ要領。
ビートはバンド全員が同じテンポを共有して初めて成立するのだが、それぞれが思っているテンポには若干の違いが生じる事は多々有る。そして、リズムセクションよりフロント楽器が前に行く事がすなわち「Rush」である。レイドバックするには、ビートを聞いてから吹き始めた方が理にかなっている。勿論、信頼できるリズムセクションに限るが。
ビートを聞いてから…と言っても、いつピストルが鳴るか分からない短距離走とは違ってステディに1拍目は来るのだから、心の準備は出来る。つまり、これでもテンポの共有は出来ている事になる。全面的にリズムセクションに頼り切るのでは無く、1拍目を自分だけの価値観で出さない…というのがフロント楽器の役割ではないだろうか。
最近のNYのプレイヤーの馬鹿テクには驚くばかりで大いに刺激を受けてはいるけど、多くが「Rush」してる様に聞こえる。その度に、エド・ルイスの苦虫を潰した様な顔で首を横に振る姿が浮かぶ。そんな時、レスター・ヤングを聴くとほっこりするのだ。ジャズって本来はこういう音楽で、当時はこんな風に演奏するとオンナにモテたんだろうな…なんて思う(笑)今はジャズなんかやってたって…ね。