おはようございますビックリマーク

真夜中、彼の熟睡中に部屋の戸が開きました。
認知症の母親・M子さんが立っています。

「玄関のドアのチェーンが外れないから、おとうさんが帰ってきたら入れない・・・」と言います。
眠気マナコの彼は、「オヤジは今夜は帰ってこないから大丈夫だよ」と答えました。
するとM子さんは納得して寝床に戻りました。

注)通常の内鍵だけではM子さんが自分で開けて、真夜中でも徘徊してしまい、鍵の掛かっていないよそ様の家に黙って上がりこんでしまう のです。苦肉の策として、もうひとつのワイヤー式鍵をつけています。


タクシーの運転手をしていて深夜勤務のある「おとうさん」は何十年も前に他界しています。
彼は「オヤジは死んだやろ~」と言えばM子さんの混乱が起きるかも知れないと思い、とっさにあのように答えたのでした。

「ひゃ~ あなたっていつものことながらすごい!平常時ならいざ知らず、熟睡中にいきなり起こされたという状況の中で最高の対応だよ~」と私。

ささやかな日々の暮らしです。
ひとつひとつ心を込める言葉。


彼はいつも「ふたりのため」という言葉を使います。
彼自身と私のため、という意味です。

母親のために犠牲になっているのでなく、M子さんの認知症という状態は「私たちの置かれている環境」と言えるのかも知れない。その「環境」の中でより良く生きようとする「知恵」を出して実行する。

ネバナラナイのでもなく、親孝行の呪縛もない。

愛し合う私たちが今日を幸せに暮らせるため。