続き。
読者を「考えさせる漫画」代表といえば、現在連載中の「バクマン」がそうだろう。
漫画家の内情、給料、新年会の様子、さまざまなしがらみなど、実名の漫画や漫画家を巧みに登場させながら、読者を引き込むことに成功している。
ここでは虚構であるはずの「漫画」というフィクションが、実名の漫画があちこちに登場することで、リアルなノンフィクションとしての側面を持ち合わせている。
つまり、漫画を読みながら、その中の漫画をさらに読む、というパラドクサルな感覚を僕らに与えるのである。
それがこの漫画の面白さであると思う。
今週連載がスタートした「めだかBOX」の原作者西尾維新は、ライトノベル作家で、元は小説で飯を食っていたが、「DEATH NOTE」のスピンオフ小説を書いたのがきっかけで、今回漫画原作という形をとっている。
乙一のように、ジャンプノベルからスタートして一般デビューした作家は少なくないが、西尾維新のように、逆に小説からジャンプに入ってくる例は、きわめて異例といえるだろう。
これも新しいジャンプの潮流のひとつだと思う。
「ぬらりひょんの孫」「PSYREN」「SKETDANCE」「黒子のバスケ」など、斬新な表現方法を用いて、読者をひきつけ、考えさせる漫画は多い。
今、ジャンプは岐路に立たされている。
若年齢層以外も視野に入れた供給をしていかないと、発行部数は滞る。
読者を飽きさせない紙面づくりが、今後もサバイバルしていく中で、必須となるだろう。
そして、ひとつの方向性を持った会社は、必ず、成功する。
余談だが、かつてジャンプ上で、ゴミのような連載が次々と始まっては消え、去っていくということが言われた時期があった。
しかしどこか愛着があり、連載が終了してもなぜかその漫画たちが後々に語られていくような現象をたまに目にする。
こういった独特の愛らしさを持つのも、ジャンプならではの魅力だといえるだろう。
これからもがんばって欲しい。