金曜ロードショーで立て続けにやってた、マトリックス、マトリックス・リローデッド、マトリックス・レボリューションズ。
三部通しで見たのは初めてだったのですが、リローデッドあたりから、おや?と思い始めている自分がいました。
たしか初回のマトリックスでは、現実世界とマトリックス世界の二つが存在してはいるものの、マトリックスに介入することをメインにした、超絶ワイヤーアクションや、サングラスやピストルが縦横無尽に飛び交う、ニヒルで近未来的な作品だったはずが、後の続編では、徐々にその影は薄くなっていくばかり。
トリニティへの愛情や、意味不明なネオの超能力、あれだけ予言に懐疑的だったモーフィアスも、心情描写を描くこともなく、あっさりとネオを信用してしまってるし、かとおもえば、「24」のようなサスペンス要素があったり、果ては、「スターウォーズ」のような前面戦争へ発展。
なんか、つめるもんつめこんどけ、みたいなてんこ盛りの内容で、結局なにがしたかったんであろうと、思ってしまいました。
しかも人類とマシーン軍団の戦争場面、尺でいうと、一時間くらいあるんですよ。
マトリックスの世界の闘いの常識破り加減が好きだった私にとって、これははっきりいって苦痛でした。アラビアのロレンスを見たときのジョセフの気持ちが分かりましたね。
地球滅亡の危機?!ハリウッドNO.1記録!とかじゃないんだから。
そういえば、人類側の乗ってた歩行攻撃ロボみたいなやつ、あれはまんま、FF6の魔導アーマーですね・・。
FFの実写かと思いましたよ。
そういえばタコ軍団もオルトロスに思えてきました。
サイドの人物も、トレインマンとか、キーメーカーとか、脇役は次々と姿を消すし、登場させる必要性もあまり感じられませんでした。
テーマをしぼって、マトリックスの世界をメインに話を進めていったほうがよかったかもしれませんね。
散々けなしてしまいましたが、よかったところもあります。
それは映像。
マトリックスの中での戦闘シーンや、フランス人の側近の白髪ドレッドの亡霊化移動、エージェント・スミスとの最終決戦、タコの気持ち悪さ、銃弾の軌道や避け方なんかは一世を風靡しましたし、後のSFX技術にも多大な影響を与えたことでしょう。
ただ、創作物は金をかければいいというものでもないですからね。
人々の心に残るのは、もっと別のもののような気がします。