タケルの告白から時間は進み、シェアハウスを出ていったルカの不在を実感として感じ始めるメンバー。


そんな中、ルカからレースの優勝と来訪の知らせを受けるミチル。


ルカを待っていたのは、以前と変わらない暖かい仲間と、いつもの場所。


メンバーは忘れていた、束の間の「日常」に舞い戻る。


ルカはタケルに対し、「本当の自分を知って、理解してくれるやつがいるってことが、こんなにも自信になるものだって、知らなかった」と、自分の存在を認めてくれたタケルに、感謝の意を表す。


ルカは言う。


「ずっと、頭の中にかかっていた雲が、やっと晴れたような気がするんだ」


一方、自分の知らない「ルカ」の笑顔を目撃してしまったミチルの心には、複雑な感情が芽生え始める。


それは、宗佑からの独立、タケルへの依存を通じ、自分の足で歩き始め、心の自立を確立し始めた彼女にとって、無理からぬことでもあった。


遅すぎる恋愛感情の認識と、迷いと、誤謬は、彼女を悩ませる。



帰りがけの雨の中、宗佑と出会うミチル。


彼は病院から脱走し、ミチルの行動をずっと監視し続けていた。


「いつ帰ってくるの?」


決まり文句でミチルを縛ろうとする宗佑。


「さあ、家へ帰ろう」


その目には輝きはなく、ただ、黒雲のような漆黒の闇が宿っていた。


「好きな人ができたの・・・」


ミチルは、懇願するように宗佑から逃れる。



仕事がえりのタケルを襲う宗佑。


恨みと、思い込み、歪んだ精神は、正しく生きようとする者を排除する。


ミチルが帰ってこない原因はすべてこいつにある。


そう言わんばかりに、持っていた松葉杖で、タケルを叩きのめす。


スタイリストの命でもある右手を、骨折の状態にまで追い込む宗佑。


しかし、彼の猛追はそれだけでは終わらなかった。



性同一性障害を両親にバラす。


脅しで、自宅にルカを呼びつけた宗佑は、ばらされたくなかったら、ミチルに手を出すな、と脅迫する。


しかし、タケルや仲間達によって、自身の解放とアイデンティティを身につけたルカにとって、その脅しはなんの意味ももたなかった。


「やるならやってみろ。私にはもう、怖いものなんてない。あんたの愛なんて、愛じゃない。ミチルを本当に愛しているのは、」


宗佑の目をまっすぐに見て、ルカは言う。


「私だから」


脅しに屈しないルカに対し、宗佑は暴力に打って出る。


男に残された最後の屈服手段を執行する宗佑。


ルカは腕力では宗佑に勝てない。


彼の暴走するアルトラは、ルカを侵食、蹂躙しようと、その牙を剥く。。





○感想


タケルの姉が登場したことで、迫り来る「不吉」が、はっきりと二つになりました。


宗佑は全てを失い、その喪失と引き換えに、破壊をもって、ミチルに近づくものを次々に排除していきます。


ルカとタケル、それに対峙する宗佑。


すべてを手に入れつつある者と、すべてを失った者。


鮮やかな未来を目指す者と、縛り付けた過去を守ろうとする者。


その狭間で揺れ動く未熟な精神としてのミチルは、懸命に、自分の気持ちに正直であろうと努力する一方、境界人としての不安定な心を、未だ成長させることができないでいます。



宗佑の決意から始まる最終回の予告は、オープニング映像をベースにした、「白と赤」の色彩に彩られており、本編シーンはまったく放映されていません。


突如割れて飛び散るガラス。


その映像に象徴される最終話のタイトルは、「愛と死」。


柔らかな白いシーツに包まれている彼らの映像が「愛」だとすると、その白を切り裂くように現れる赤いリボンは、「死」の象徴。


その他にも、赤は、「血」「狂気」など、不吉なものを連想させます。


最終話「愛と死」において、すべての決着が着くこと、すべての人々が傷から自由になれることを、期待しています。



ちなみに、ルカは犯され、宗佑に殺される、そのルカの無残な魂をその身に宿し、新たに誕生させるため、ミチルは人工授精を受ける、という私の予想に対して、嫁さんは、「そんなオカルトじみた結末は絶対にない」と言ってました!が、彼女の考える結末を聞いてみると、ルカの受精した卵子を、ミチルに植えつける、というそれこそないだろ!というものでした。。。