蔵出しシリーズ① 2018/5/17


『さざなみのよる』木皿泉


木皿泉は夫婦作家だ。

もとい、夫婦作家になった方たちだ。

元々仕事上のパートナーだったお2人は、ご主人が脳梗塞で倒れ、後遺症を負ったのを機に夫婦になった。『昨日のカレー、明日のパン』以来5年ぶりの著作となれば読まずにいられない。


読みはじめて40数ページ。

もう3回も泣いてしまった。

あっちからもこっちからも幸せという名のものが溢れてきて、慌てて両手を差し出してみても、抱えきれずにこぼれ落ちていく。

あぁ、自分はこんなにも幸せなんだと思わされる。


大切な人を失うかもしれなかった悲しみと、生きていてくれることのありがたみを知る2人だから書ける1冊。

さあ、存分に泣いてください。