中山で完全復活だ!! 24日のアメリカJCC・G2(中山・芝2200メートル)に、2008年の皐月賞馬、キャプテントゥーレ(牡5歳、栗東・森厩舎)が参戦する。皐月賞後の骨折で長期休養を余儀なくされたが、昨年11月のマイルCS・GIで4着と力は衰えていない。クラシックを制したゲンのいい中山で復権にかける。一方、昨年の覇者ネヴァブション(牡7歳、美浦・伊藤正厩舎)も今回が休み明け3戦目。重賞2勝の中山コースで、2010年の好スタートを切れるか、目が離せない。

 出走するレースはいつでも“勝負駆け”だ。キャプテントゥーレの目の前にはいつも“賞金”という大きな壁がある。目標としていた有馬記念は除外。ハンデ戦や別定のG2、G3に出走となれば、他馬に比べると重い斤量を背負うことになる。「まずは賞金加算ですね。このままでは出走するレースが限られてしまいますから」と徳江助手は話す。

 鮮やかに逃げ切った一昨年の皐月賞直後に発覚した左第3手根骨骨折という重傷。復帰に約1年4か月もの時間を要しながら、輝きは失われなかった。復帰戦の関屋記念、レースの上がり33秒7という極限に近い瞬発力勝負にも4着と対応すると、続く朝日チャレンジCでは、あっさりと1番人気に応えて重賞制覇。G1ウイナーの底力は本物だった。

 しかし、天皇賞・秋では12着と見せ場のない完敗。続くマイルCSも善戦とはいえ4着に終わった。「G1の壁に跳ね返された感じですね。ただ、長い休みから無事に復帰して、重賞を取れたんだから、よしとしましょう」徳江助手の表情には充足感と悔しさが交錯する。

 年末年始に若干、調教量を減らしたが、15日の坂路52秒1―12秒2という動きを見れば仕上がりに全く不安はない。「調子に激しい上下動の少ない馬。折り合いもつくし前、前で運べますから」と徳江助手。春の訪れを前にしての始動は、はるか先に大舞台を見ているからこそ。“勝負”にきたクラシックホース。結果は自然とついてくる。