「日経新春杯・G2」(17日、京都11R)
 芦毛の牝馬が淀のターフで力強く躍った。2番人気メイショウベルーガが鮮やかに差し切って、重賞初V。池添は2週連続のGタイトル奪取で、06年ファルコンS以来となる池添師との父子タッグでの重賞制覇を達成した。1番人気トップカミングが3馬身差の2着、3着には12番人気のレッドアゲートが入った。
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 狙った獲物は逃さない。重賞ハンター・池添がメイショウベルーガを駆って、淀のゴール板を先頭で突き抜けた。年が明けても、ドリームジャーニーで有馬記念を制した勢いが陰る気配はない。シンザン記念のガルボに続いて、2週連続の重賞ゲット。その手綱さばきはさえわたっている。
 末脚を信じた。迷うことなく、道中は後方2番手のポジション。「自分のペースを守って、走らせようと思った」と池添は直線勝負にかけた。3角でのゴーサインにはいつものようにズブさを見せたが、エンジンが点火すると変身。芦毛の馬体は大外から一瞬のうちにライバルをのみ込んだ。
 ラスト200メートルは独壇場。後続に3馬身の差をつける圧勝で、ベルーガに初の重賞タイトルをプレゼントした。「リズム良く走れたし、直線を向くときは“かわせる”と思っていました。抜け出す脚が速く、ソラを使っていたが強かった。大きいところを狙える馬だと思う」。充実著しい5歳牝馬に笑顔がはじける。
 06年ファルコンS(タガノバスティーユ)以来、約3年10カ月ぶりの父子タッグでの重賞奪取。その強さに開口一番、池添師は「びっくりした」と驚きを隠さない。「フワフワしていたのでどうなるかと思ったが、競馬を覚えてきている。どこかで(重賞を)獲れると思っていた」と成長した姿にほおを緩ませた。
 昨秋のエリザベス女王杯では5着。今年はさらなる飛躍を予感させる。「オーナーと相談してからですね。賞金を獲得したのでどこでも使える」と大舞台への選択肢も増えた。また1頭、強い牝馬が淀で登場した。