◆第57回日経新春杯・G2(17日、京都競馬場、芝2400メートル、良) また、池添だ!! 2番人気のメイショウベルーガが大外から突き抜け、重賞初制覇。騎乗した池添謙一騎手(30)は10日のシンザン記念(ガルボ)に続く2週連続重賞勝ち。父・池添兼雄調教師(57)の管理馬で、3年10か月ぶりの親子コンビでのタイトル奪取となった。2着は1番人気のトップカミング、3着は12頭中最低人気の関東馬レッドアゲートだった。

 4コーナー手前の下り坂で一気に加速をつけたメイショウベルーガを、池添は直線で大外へ持ち出す。他馬とはまるで違う手応えに、勝利を確信しながらの左ステッキ。それに呼応した5歳牝馬は芦毛の馬体を弾ませて、最大の持ち味である末脚を爆発させた。

 ラスト1ハロン地点で先頭に立つと、牡馬勢にも抵抗できる馬はいない。メンバー最速の上がり34秒9の切れ味で、あっという間に2着トップカミングに3馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。「道中のリズムが良かったし、直線を向く時に全部かわせると思いました」と絶好調男は、今年重賞2勝目を笑顔で振り返った。

 昨年末にドリームジャーニーで有馬記念を制覇した勢いは止まらない。「いい馬に乗せてもらっていますからね」と謙虚な姿勢を崩さないが、今年はすでに8勝。先週のシンザン記念に続く2週連続の重賞Vと手綱がさえわたっている。

 父・兼雄調教師の管理馬であるベルーガでの勝利は格別の味だ。06年のファルコンS(タガノバスティーユ)以来3年10か月ぶり、5度目となる池添親子コンビでのJRAタイトル奪取となった。「父の管理馬で久々に重賞が獲れましたからね」と鞍上が言えば、指揮官も「格別? そうですね。この馬もどこかで重賞をとれると思っていたから」と喜びにひたる。

 次走はオーナーサイドと協議されるが、牡馬相手の快勝に、大目標として天皇賞・春への参戦も視野に入ってくる。「賞金を加算できたので、どこでも使える」と父が言えば、「大きいところを狙える馬だと思っています」と息子も呼応。本格化したメイショウベルーガなら、コンビでのG1制覇も夢ではない。

 ◆メイショウベルーガ 父フレンチデピュティ、母パパゴ(父サドラーズウェルズ)。牝5歳の芦毛。戦績25戦6勝。総収得賞金1億7903万6000円。重賞初勝利。生産者・北海道浦河町の三嶋牧場。馬主・松本好雄氏。栗東・池添兼雄厩舎所属。

 [優勝馬メモ]
◆親子タッグ 調教師と騎手が、親子で重賞を制したのは、09年報知杯FR(ワンカラット)の藤岡健一調教師&佑介騎手以来。
◆牝馬 09年のテイエムプリキュアに続き連勝。過去61年タイカン、65年オーヒメ、93年エルカーサリバー、97年メジロランバダがV。
◆9連敗 トップハンデのサンライズマックス、インティライミはそれぞれ4、11着。01年ステイゴールドが勝ったのを最後に9連敗。