「京成杯・G3」(17日、中山)
 クラシックへ名乗りを上げる。最終追い切りが東西トレセンで行われ、エイシンフラッシュが栗東CWの併せ馬で豪快な動きを披露した。僚馬を一気に突き放し、万全の態勢をアピール。エリカ賞を制した勢いに陰りはない。横山典との新コンビで初の重賞タイトルを手に入れる。同じくCWのアドマイヤテンクウも好気配。持続力のある末脚でV奪取をもくろむ。
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 いてつく寒さのなか、エイシンフラッシュはグランクロワ(3歳500万下)とともに栗東CWに姿を現した。「寒い時季だから馬も硬くなりやすい。きょうはサッとやるだけで十分」と藤原英師。そのコンセプトのもと、併せ馬は始まった。
 縦列状態で始まった最終リハは、前を行く僚馬を追走する形。一定の距離を保ちながらピタリと折り合い、3~4角からスパートを開始した。コーナーワークを利してインに潜り込むと、ゴーサインに瞬時に加速する。一気に突き放し、豪快なフットワークでフィニッシュラインを越えた。
 タイムは6F83秒9-38秒6-11秒7。3馬身の先着を果たした。開口一番、見届けた指揮官は「予定通り」。納得の表情を浮かべながら「素質のある馬。それなりの計算をしながら、ここまでは順調に来ている。上に向かって上がっていかないとな」と前を向いた。
 セールスポイントは「能力」と言い切るだけあって、高い身体能力にほれ込んでいる。「当歳のときに“いい馬だな”と思った。実際に動かしてみたら、思っていた通りにいい馬だった。血統的にもう少し(成長が)遅めだと思っていたが、順調に育ってくれた」と穏やかな笑みがこぼれる。
 狙うは初の重賞制覇。だが、トレーナーに気負いは見られない。「賞金加算うんぬんよりも、これから上を目指すための経験を積みたい。長距離輸送や初コースであったりね」。課題をクリアできれば、結果はおのずとついてくる。名手・横山典との新コンビで挑む中山で、フラッシュがさらなる高みを目指す。