「魚をやいたよ」と、

よくばあちゃんちから、お裾分けが来ます。

ばあちゃんちは、魚は七輪で焼きます。

ガス台に、魚焼きグリルはあるけど、

七輪を使います。

グリルはあとで洗うのが面倒、っていうのもあるみたい。

でも七輪で焼く方がおいしい、

じいちゃんもばあちゃんも、そう言います。

私も最近、そう思います。


ばあちゃんちは薪ストーブなので、

ストーブの中で薪を燃やし、

「おき(薪の燃えさし)」を作ります。

それを七輪の中に入れます。

魚を上下ではさめる網ではさみ、

七輪に乗せて、ひっくり返しながら

ゆっくり焼きます。

夏は、裏玄関から外に出たところで

じいちゃんが焼いてくれたりもします。

大概は、台所の換気扇の下で

ばあちゃんが焼きます。

おもしろいのが、

七輪の下部分にある空気を入れる「穴」。

穴は直径5センチくらいなのですが、

この穴に、ばあちゃんがつめている物。

何だと思います?

程よい大きさ、固さ…


なんと、古くなってしわくちゃになった

「じゃがいも」

孫たちは、笑ってるけど、

これがなんと言ってもいいらしい。

はめてみたら、ちょうどはまったんだねー。

それも、すこーし隙間があるけど、

転がり落ちない、いい具合。 


断っておきますが、

ばあちゃんは、物でも、食べ物でも

とても大事にします。

周りが、捨てたらいいのにって言うものも

「何かに使えるかもしれない」と

とっておきます。

どんなものでもとことん大切にしよう、

という気持ちが、

すてきな知恵や、ひらめきになるのですね。