現在、土曜の夜に放送中のドラマ「三千円の使い方」を毎週楽しみに見ています。
昨年夏に原作を読んだので、どんなドラマになるのかわくわくしていました。
第5話で、定職につかない安生(やすお)が家族や子供を持つことについての考えを話し、それに対して主人公美帆の祖母琴子が反論するシーン。
「子供を持つことを否定もしないし、もちろん、非難もしない。でも、子供なんて、お金も手間もかかる。そんなに手間をかけて育てたところで、まっすぐに育つかどうかもわからない。老後の面倒を看てもらうどころか、将来、金属バットで殴り殺されるかもしれない。コストの割に見返りが少ない。コスパが悪い。費用対効果が最悪だ。」
(中略)
「費用対効果?ははは。そんなに費用対効果が大切なら、もう、いっそここで死になさい。それが一番、効果あるわよ。ご飯も食べなくてすむし、家も傷まない、服も必要ない。お金もいらない。あくせく働く必要もないわよ」
琴子は歩きながら、吐き出すように言う。
「だいたい、あなたのご両親が費用対効果を考えたら、あなたなんてここにはいなかった」
(『三千円の使い方』原田ひ香 著 中央公論社刊より引用)
なぜこの箇所が心に響いたかと言うと、先日私も自分の娘に安生と同じようなことを言われたからです。
だから、彼女は結婚も子育てもする気はないと言います。
確かに子供を育てることは、今のご時世お金がかかる。そしてお金をかけた分、見返りがあるとは言えない。
私達人間にとって結婚するのも、出産するのも個人の自由です。
じゃあ、何のために子育てするのか。
どうしても胸に引っかかるものがありました。
北海道に住む私の周りには、身近にさまざまな動物がいます。裏庭に小鳥が、少し車で行けばその辺の畑で、鹿がいたり、熊もたまにいたりします。(熊は、なまで見たことはない!)
今日、寒空の下、
裏庭の高い木の上で、
ピーピー鳥が鳴いてたなぁ。
かなり騒がしかったから
何羽もいたんだろうな。
自分の「種(しゅ)」がこれからもずっと続いていくように、ごく自然な営みで子供を産み、育てる。
無意識だろうけれど
とても気高い行為だと思えてなりません。
人間が、それさえも放棄してしなくていいように、そんな世の中になるように願います。
私もまだ子育て真っ只中、
楽ではないけれど、
きっとかけがえのないことをしているんだと思います。