昨日はいつもより少し早い帰宅。

18時前。

少しずつ日も長くなり、まだうっすら明るい。

車を庭に入れて、急ぎのラインを打っていると、庭の外の道から視線を感じた。

可愛い大きな目がこちらを向いている。

車を降りると、

「やっぱりonoiさん!」

と話しかけてくれた。

小学5年生、ストレートの綺麗な髪と大きな目、少し勝ち気な聡明な女の子。

「今Sちゃんと遊んでたんや。まだ家の前で縄跳びしとるはず。」

と、私をSの姿が見えるところまで連れて行く。

途中私が持っていた市民センターの会場を借りる為の申請書を見て、

「なにこれ、離婚届❓」

と、聞く。

もちろん離婚届ではないことは、分かって聞いている。

「なんでやねん。市民センターの申請書。」

私が普通に答えると、

「なーんや。」

と笑う彼女。

次は、一緒に持っていたスヌーピーの手帳を見て

「可愛い!これちょうだい!」

と貰えないこと承知で言う。

「あかん、あかん。予定書いてしもとるもん。」

と、また普通に答える私。

「ケチ!」

と彼女。

「そうやで。onoiさんはケチやで。」

と私。

結局Sちゃんは、家の中に入ってしまっており、彼女はSちゃんを呼ぼうとしたが、私がもういいよと言ったので、彼女はSちゃんを呼ばず次の用事に向かうことにした。

「もうすぐ真っ暗になるから気をつけなあかんよ。」

と私が言うと、

「うん、分かった。」

と素直に答える彼女。

そして、

「onoiさんバイバイ。」

と言って去って行った。

何気ない数分間。

でもすごく温かかった。

実はこの一年、彼女に会ったのは、5回未満。

そのうち半日キッズデイで一緒に過ごしたのは1回。

そう、それくらいの間柄なのだ。

それでも彼女は、毎日会っているかのように、私と接してくれる。

ちょっぴり意地悪を言って私の心の中を探りながら。

私と彼女の関係は、大人と子どもの関係だけでなく、もっと対等に近い友達同士の関係でもある。

そして私には、彼女のように接してくれる我が子よりも年下の友達が他にもいる。彼女が呼ぼうとしたSちゃんもその一人だ。

しかし当たり前ながら、彼女たちは私と友達のように接しながらも、私が大人であることも、しっかりと認識している。

だから、困った時は頼りに来ることもある。

登校中転んだり、用水路に水筒を落としてしまったり、行く用事がある町内の子どもの家がわからなかったり、

そんな時にはやってくる。

彼女たちは私がいるであろう時間と、いるはずの曜日をちゃんと知っていて、私のいる時にやってくる。

こんな関係が、いつまでも続くといいなぁ。

そう思って、私はキッズデイをやっている。

細くても、長く。末永くキッズデイを続けよう。

この、たまに意地悪な口をたたく彼女たちが、いつか何かでつまづいた時、

「onoiさんに会いに来てあげた。」

とか言って、ふらっとやってくる場所になるように。

その時もonoiさんは、いつもと同じように

「何言うとうねん。」

と普通に返事して、迎えようと思っています。

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