以下の文章は、すべて妄想で書かれております。
事実は1文字も含まれておりません。
駄文ですが、お読みいただければ幸いです。
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2012年 5月22日、
今日はいよいよ、待ちに待ったスカイツリーの営業開始日。
何とかオープン初日の展望台のチケットを予約できて、
今夜は仕事帰りに、スカイツリーへ。
そう、彼女と一緒に。
さすがにオープン日だけあって、すごい人だ。
展望台行きのエレベーターは、結構ぎゅうぎゅうで、
修学旅行らしい中学生たちが、興奮して大騒ぎしてた。
「静かにしなさい!」って
引率の先生だろうか。女性の声がしている。
さすが最新型のエレベーター、思ったよりも早く、展望台の階まで到着した。
そして、ドアが開くのを今か今かと待ちかねてた中学生たちが、
いっせいに我先にと出て行った。
中学生のひとりが彼女にぶつかって、彼女がつまずきそうになって
とっさに僕は、彼女の手をつかんだ。
「おいっ・・・!」って中学生に言おうとしたら、さっきの先生らしい人が
「どうもすみません!お怪我はありませんか」って言ってきて、
「はい、大丈夫ですよ」と彼女が答えた。
「本当にごめんなさい、ちゃんと言ってきかせますので」と
その先生は言って、中学生たちを追いかけていった。
「わあ・・・きれい・・・」
彼女が言った。
気を取りなおしてよく見ると、目の前には、見渡す限りの夜景。
360度、一面の美しさだった。
そして、さっき彼女の手をつかんでから、
そのまま、手を握ったままだったことに気がついた。
まだ、始まったばかりのふたり。
彼女の手を握るのも、そういえば、初めてのことだ。
大きな傷、小さな傷、
この歳まで独りで生きていると、心にいろんな傷がついていて
これ以上傷が増えないように、傷が傷まないようにと、
ついつい臆病になってしまう。
いい歳して、なんて考えてたら、手すら握れないでいた。
彼女は、僕が握った手を離そうとしなかった。
僕も、その手を離したくなかった。
スカイツリーは、さらに高いところに、もうひとつ展望台がある。
その展望台へ上ってみたら、さっきよりもさらに美しい夜景だった。
彼女はとても嬉しそうに、夜景を見ていた。
そんな彼女の様子を見てたら、なんだかどきどきして
夜景を見るふりして、彼女の横顔ばかり見てた。
そしたら彼女と目が合って、
あわてて夜景の方に視線を戻そうとしたら、
彼女が、僕の耳元に口を寄せてきて、
そして、そっとささやいた。
「ハッピーバースデー」
びっくりして彼女を見たら、にっこりと笑った。
それは、これまでの人生で聞いたなかで、最高の
「ハッピーバースデー」だった。
展望台からの夜景を十分に堪能して、エレベーターを降りた。
下の階には店がたくさんあったけど、どこも混んでて人がいっぱいだった。
スカイツリーの外にも店はたくさんあった。
一年前までは、何にもないところだったのに。
「お腹すいたねー。何食べようか?」
彼女はずっと嬉しそうで、つないだ手を前後に大きく振りながら
にこにこしながら歩いている。
さっき手をつないでから、もうずっとつないだままだった。
たとえ何かの拍子に手が離れたとしても、
また自然につなげるんじゃないかって思った。
これからもずっと、彼女と手をつないで
ふたりで歩いていけたらいいな。
そんなふうに思った、誕生日の夜だった。