
【出演】
松山ケンイチ、永作博美、蒼井優、忍成修吾、温水洋一、あがた森魚、桂春團治、市川実和子、藤田陽子、MariMari
【監督】
井口奈己
“恋におちる。世界がかわる。19歳のボクと39歳のユリのいかれた冬の物語”
美術学校に通う19歳の磯貝みるめは、新任としてやってきたの39歳のリトグラフ非常勤講師・ユリに絵のモデルを頼まれ、アトリエに連れ込まれてしまい……言われるがままに服を脱がされてしまう。

以来、20歳年上のユリにすっかり骨抜きにされて……二人で過ごす‘濃密’な時間にのめり込んでいく。

友人の堂本に問いただされ、みるめは彼女との仲を嬉しそうに告白するが……。

いつもつるんでいる仲間のえんちゃんの顔は曇ったままだ。

ところがある日、ユリからだいぶ年の離れた夫がいることをさらりと告げられ愕然。
「お父さん?」
「夫。猪熊さんは私の夫だよ」
「えー!?」

実はユリが既婚者であることが分かり、みるめは混乱する。
突然、現れたユリに振り回されて一喜一憂するみるめを、えんちゃんは複雑な思いで見つめていた……。

‘会えなければ終わるなんて そんなもんじゃないだろう’

19歳の男と39歳の女、年の離れた男女の恋愛模様を描くラブストーリー。

真剣になればなるほど滑稽になってしまうリアルな恋愛模様がゆったりとした展開で綴られていく。
ままならぬ恋に身悶える若者たちを尻目に、残酷なほどの正直さと狡さと驚くべき大らかさで生きるユリ。
そんな彼女に大いに泣かされるみるめ。
泣くに泣けない恋心を抱くえんちゃん。
それを優しく見守る堂本。
ただ甘いだけではなく、きっちりと苦い恋愛の不条理が女性監督らしい視点から描写されています。
ピンク映画かと勘違いしそうな(?)かなり刺激的なタイトルですが、濡れ場はいたってソフト。
あどけなさと大人っぽさが同居するキュートなラブシーンとなっている。
でも永作の積極的なキスシーンは、結構エロい。
ほとんど抑揚のないストーリー、引いた画やワンシーン長回し、無駄とも思えるようなカットの多用、何てことのない普通の台詞……と下手したら退屈しかねない内容。
正直、これで2時間17分は長すぎた感も?
ただアドリブなのかと思ってしまうくらいの台詞のやり取りは、リアリティがありました。
とても良いという高評価と、メッチャ退屈でつまらないという低評価とに、真っ二つに分かれている作品みたいで……なんか納得。
松ケン、永作博美、蒼井優の自然な演技は凄くよかったです。
それにしても、永作とヌクミーが同い年という設定は……無理があったんじゃ?

