
【出演】
蒼井優、鈴木京香、竹内結子、田中麗奈、仲間由紀恵、広末涼子、真野響子、塩見三省、三浦貴大、大沢たかお、河本準一、長門裕之、井ノ原快彦、平田満、不破万作、蛍雪次朗、梅津栄
【監督】
小泉徳宏
“それは、一本の糸で結ばれていた”
昭和11年、春。
日本古来からの仕切りで、親同士が決めた結婚に悩み続ける凛。

凛は未だ会ったことの無い相手への不安などを抱えたまま結婚式前日を迎えた。
式当日、結論を出せない凛は、花嫁姿のまま家を飛び出してしまう。
昭和30年代、夏。
約20年が経ち……凛は、3人の娘を授かっていた。
長女の薫は、夫を交通事故で亡くし、その事実を受け入れられず、亡き夫との思い出となった新婚旅行の場所を巡る旅に出る。

次女の翠は、当時はまだ珍しいキャリアウーマンとして出版社で働いていた。

そんな中、翠は恋人からプロポーズされるが、今まで男性社会の中で一生懸命働いてきた彼女の心は仕事と結婚の間で揺れ始める。
昭和50年代、秋。
凛の三女・慧は夫と娘の奏の3人で幸せな生活を送っていた。
しかし、慧が2人目の子供を妊娠したことで家族の生活に変化が見え始める。

生まれつき体が丈夫ではない慧は、医師から「出産には耐えられない」と宣告されたのだ。
平成21年、冬。
慧の長女・奏はピアニストになる夢を叶えるため上京するも、その才能に限界を感じていた。
さらに、年下の恋人と別れた直後に妊娠していることが判明し、2つの悩みを抱え苦しむ日々を送る。

一方、次女の佳は結婚し、男の子を産んだ。
根っから明るく振舞う佳は、母・慧の分まで前向きに生きようという強い想いが心の中にあった。

「娘と母、父と母、夫と妻、姉と妹、母と子」をテーマに、昭和初期から現代までを4つに分け、それぞれの時代を生きた6人の女性の姿を描いた大河ドラマ。

どのような状況にあっても前向きに、芯のある凛とした美しさを咲き誇る6輪の花たち。
日本女性であることの誇りや自身、美しさを感じさせてくれます。
昭和11年代から現在まで、三世代の日本女性の恋や美を描き、6人の女性たちが、それぞれの生きる時代の中で懸命に自分の生きる道を模索していく姿が情緒溢れる演出で綴られてゆく。
見どころは、凝った映像の数々。
昭和11年の場面では、モノクロのやわらかい映像。(小津を意識したかのようなカメラアングルの場面も)
昭和40~50年代は、当時の映画を彷彿とさせるテクニカラーの色調を見事に再現!
そして平成の現代は、ブルー調の抑えた色合いでと、それぞれの時代に合わせた映像表現がユニーク。
竹内結子と大沢たかおが新婚旅行に行くエピソードが印象的。
楽しい旅行のはずなのに、どこか妙な違和感が付き纏う。
その真実は、あまりにも切ない。
一番の儲け役は田中麗奈?(出演シーンも一番多かったような?)
気が強くて男勝りの女性を溌剌と演じていて、それが見事にハマっていた。
ただ、次長課長の河本と結婚するのは納得がいかないが(笑)。
『ガチ☆ボーイ』で仲里依紗を自転車で走らせた小泉監督。今作では6人の女優を自分の足で走らせる。
小泉作品のキーワードは、‘女性が走る’……か?
それにしても、こんなに美形揃いの家系はそうそうないだろうな……などと思いつつ、6人の豪華女優共演に酔いしれました。