
こちらは、ロビーに展示中の劇中で使用された衣装。


【出演】
中村蒼、池松壮亮、冨田佳輔、川原一馬、金子直史、稲葉友、佐藤永典、新川優愛、足立梨花、八木小緒里、西原亜希、スマイレージ、千葉雅子、池田鉄洋
【監督】
英勉
【脚本】
池田鉄洋
“彼らが繰り広げた舞台は、予想もつかない型破りなトンデモ舞台!”
池松男子高校に入学した小笠原[オガ]が、クラブを選ぶ第一の目的は~~「女子にモテる」こと!
ある日、演劇部の新入生勧誘公演「ロミオとジュリエット」を見ていて、ジュリエット役の美女にハートをズキュンと射止められてしまう。
「ジュリエットーーー





メロメロ状態になったオガは、すぐさま廃部寸前の演劇部に入部するが、お目当てのジュリエットの正体が、なんと先輩男子だったことが判明し、大ショック!
「え!?男???」
「ていうかさ、ここ男子校なんだから、女子のワケないじゃん」
「あ……そうだった……」
どこまでもオバカなオガであった。
時すでに遅し。3年生は部活を引退するため、オガはその場でいきなり部長に抜擢されてしまう。
「そ、そんな……無理無理無理!」
残された部員は‘自称イケメン’の城島[ジョー]と、存在感があまりにも薄すぎる上田[ウエダ]のみ。
顧問の神田も若い女の子にしか興味のないアイドルオタクで、やる気ゼロ。
「俺は男子校なんて大嫌いなんだよ!女子校行きてえなぁぁぁ」
しかも、今月中に部員を5人揃えないと廃部になってしまうという背水の陣状態に!
オガが必死で勧誘していく中、入部してきたのは、神田が画策し単位獲得を条件に説得されたヤンキーの田村[タムラ]だけ。
仕方なく、親友の大和田舵[カジ]に、籍だけを置き活動はしないという幽霊部員になってもらい、演劇部の部員はギリギリ5人となって、なんとか廃部は免れる。
そんな中、演劇の地区大会に出場することが決定。
とはいえ、何をどうすればいいかよく分かっていない5人は、演劇で有名な豪徳寺女学園に女装して見学しに行くことに。

女子高に足を踏み入れた部員は、超テンションアップ!
オガは、舞台で熱演する美しい柏木舞に一目惚れしてしまうが、スパルタの鬼顧問・金子に絞られている柏木を見たオガたちは、「本当の演劇の面白さを自分たちが見せつけ、彼女を救い出そう」と一致団結する。

その後、足を痛めてサッカーを断念した……究極のバカ・橋本[ハシモト]も入部。
「ちゃどう部も、はなみち部もイマイチでさぁ。あと……木が付く漢字で……馬がいる部もつまんないし」
「木と馬???」
「もしかして‘将棋’か?」
「お~それそれ!」
「つうか、木と馬でわかったお前は凄い!」
地区大会まであと3週間と迫る中、勉強の合間を縫ってカジが手掛けていたO・ヘンリー作「最後の一葉」の台本がようやく仕上がる。
ひたすら‘懸垂’の特訓に励む部員たち。
そしていよいよ、演劇部の晴れ舞台である演劇地区大会当日。

彼らが繰り広げた舞台は……予想もつかない型破りなトンデモ舞台だった!

勘違いにより廃部寸前の演劇部に入部した男子高校生の奮闘を描いた学園青春コメディ。

男子校の新入生・小笠原は、女子にモテたいというそれだけの理由で部活を選ぼうと思っていたが、マヌケな勘違いによって、廃部寸前のへっぽこ演劇部に入部するが……周りを見ると、頼りない部員2名と、それに輪をかけて全く頼りにならないアイドルオタクの顧問しかいない。
仕方なく新入部員獲得に孤軍奮闘し、ようやく部員をゲット。
そして演劇の地区予選大会という新たな目標が彼らのモチベーションを上げていくも……なぜか彼らは体力をつけることだけに専念する。
特に必死に取り組むのは‘懸垂’の練習。
実は、この‘懸垂’が舞台の重要な鍵を握っているのだ!
冒頭からエンドロール後のオマケまで~~くだらない小ネタ、ギャグのオンパレードで笑わせたかと思いきや~~観終えた後には、青春映画らしい爽やかな感動を与えて……などくれない(?)超オバカ映画。
いるんだかいないんだか分からない陰の薄い部員は、本当に透けて見えて……更には全く見えない透明人間状態になるというアホらしい描写も。
最大の見せ場となるのが、地区大会で見せる「最後の一葉」の舞台。
細かいギャグのジャブが徐々に効いてきたと思ったら、クライマックスでは一転してハラハラドキドキするスリリングな展開に!
カーテンコールでは「バカ!」と叫びながら拍手を送りたくなるでしょう!?
それからストーリーとは全く関係なく、購買部のオバチャンとキモい生徒との恋愛模様も合間に唐突に挿入される。
一言も言葉を交わさず、出会いから進展していくまでがドラマチックに(?)描かれています。
主演の中村蒼は『ほしのふるまち』での陰のあるシリアスな高校生役のイメージを遥か彼方に吹き飛ばすノー天気なオバカ高校生を熱演。
コロコロと表情が変わる百面相で、コメディの才能を本格的に開花!?
そしてこちらもシリアスな役のイメージが強い池松壮亮も、クライマックスでは‘恥辱的’な体当たり演技でオバカに徹しています。
その他、演劇部のメンバーの若手役者陣も、みなキャラが超濃い。
脚本も担当している池鉄さんも、キモいキャラを炸裂させ(ある意味、やりたい放題

こんな暑苦しいメンツの中で、マドンナ役の新川優愛が、可愛く華を添えている。
(このコ、アングルによって多部未華子と吉岡聖恵に激似)
またラストでは、カジの父親として某大物俳優が(声だけでいい旅夢気分してる人

『ハンサム☆スーツ』『高校デビュー』と痛快作を連発している英監督ですが、この『行け!男子高校演劇部』も遊び心満載のハチャメチャに楽しい作品でした!
あまりのオバカさ、くだらなさに……5分で席を立つか……もしくは頭の中をおもいっきり空っぽにしてバカになって笑い転げるか……それはあなた次第(笑)。
