『ボックス!』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『ボックス!』


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【出演】
市原隼人、高良健吾、谷村美月、香椎由宇、清水美沙、宝生舞、山崎真実、筧利夫、諏訪雅士、遠藤要、亀田興毅


【監督】
李闘士男




“リングに舞う、一陣の風……笑って、ぶつかりあって、泣いて、そしてラストには爽やかな一陣の風が吹く”




恵美須高校に入学したばかりの気弱な優等生・木樽優紀(ユウキ)は、やんちゃな幼なじみで親友の鏑矢義平(カブ)と久しぶりの再会を果たす。

子供の頃、イジメられっ子だったユウキを守ってくれたのは、カブであった。


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そんなカブからユウキは、
「一緒にやろうや!?ボクシング!」
と誘われ、とりあえず見学してみたところ……。


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スパーリングで上級生を圧倒するカブの強さに憧れると同時にボクシングの魅力にも惹かれ、
「入部させてください!」


そんなユウキと共に、カブに片思いをしている丸野智子もマネージャーとして入部。


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「わたし、リングで戦うカブ君がダイスキ!輝いて見える」


怠け者だが天才的なボクシングセンスを持つカブは、大会でいきなり連戦連勝。


だが無敵のモンスターと呼ばれる超高校級ボクサー・稲村との対決で、あっさりとKO負けしてしまい……初めての敗北のショックからボクシング部を退部してしまう。

「いつまでも、どつきあいなんかやってられへんわ」


一方、そんなカブを横目に、真面目な性格からひたすら鍛錬を重ねていったユウキは、着実に強くなっていき……。


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そんな時、心臓病を患って入退院を繰り返していた丸野が亡くなってしまう。


悲しみに暮れるカブだったが、彼女のために、そして自分のためにボクシング部に復帰。


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カブとユウキは、自らと互いの‘真の才能’に向き合い、拳をぶつけ合い、青春のキラ星を輝かせる。


天才と憧れたトリックスターである親友を、持ち前の生真面目さで愚直な鍛錬を重ね追い越そうとしていくユウキ。


遂にカブとユウキは、は大会で激突する!

そしてその先には……二人にとって何が何でも倒さなければならない相手、稲村がいる。


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二人の友情は?
彼らと活動を共にする優しき部員たちと大人たちの反応は?


‘ボックス!……それは戦えの合図’


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高校のボクシング部を舞台に、まったくタイプの異なる少年二人がリングに青春を懸ける姿を鮮やかに映し出す青春映画。



クライマックスとなるカブと宿敵・稲村の対決シーンは、かなりの迫力。
それもそのはず、稲村役の諏訪雅士は本物のプロボクサー。

2分間×3ラウンドある試合の2ラウンド目を、2分間まるまるワンカットで撮り切るという決してごまかしのきかない方法で撮影されており、リアルな真剣勝負をしっかりと見せてくれます。


カブがダウン寸前になり……試合はどうなるのかという最大の見せ場のところで、画面は急にカブの実家であるお好み焼き屋のシーンへ。

そこにスーツ姿のユウキが訪ねてきて、カブの母親が迎える。

「ユウちゃんも社会人やなぁ。大学でもボクシングやってたんやろ。卒業しても続けたらよかったのに」
「僕は所詮、No.2です。本当に強いNo.1はカブですから」
「あのコもアホやから、拳を骨折してしもてなぁ」

ここで現在のカブは、ハワイでお好み焼き屋を経営していることがわかり……と、再び稲村との対決シーンへと画面は替わり……試合結果が明らかになる。

このあたりの演出は上手い!



見どころは、ボクシングシーンだけではなく、幼なじみへの憧れがライバル心へと変化していくユウキと、やんちゃだけれど純真、天下無敵の男・カブのアツい友情物語もしっかりと描かれています。


アツさ爆発の市原隼人と、弱々しい目から一転、凄まじい目へと変貌する高良健吾の演技は必見。


病弱な役がハマりにハマる谷村美月も好演です。



大阪が舞台とあってか、『どついたるねん』の高校生版的な雰囲気すら漂う作品でした。