『ロック わんこの島』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

某シネコンにて『ロック わんこの島』を鑑賞。


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【出演】
佐藤隆太、麻生久美子、土師野隆之介、岡田義徳、柏原収史、原田美枝子、倍賞美津子、佐藤二朗、光石研、おかやまはじめ、松金よね子、蓮沸美沙子、MEGUMI、佐藤仁美


【監督】
中江功




“離れていても、つながってるんだ”


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太平洋の小さな島、三宅島。

そこで民宿‘たいよう’を営む野山一家。


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優しい父・松男、ちょっと怖い母・貴子、犬好きの祖母・房子と共に幸せに暮らしている小学生の芯。


彼は、生まれたばかりの子犬にロックと名付け、愛情を注ぎ……いつしかなくてはならない存在になっていた。


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「ロックはお前の弟みたいなもんだね」
「うん!」


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しかし……思わぬ災害が野山一家と島民を襲う。


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2000年8月、三宅島・雄山が大噴火したのだ。

島外避難をすることになった野山一家だが、その矢先、ロックがケージから逃げ出しいなくなってしまう。


慣れない東京での避難生活が始まるが……
「必ず島に帰る!」
「ロックは生きてる!」
という希望を胸に、一家は毎日を懸命に生きていく。

「俺たちが持っている武器はひとつ……それは落ち込まないこと。落ち込んだら負けだ」


そんなある日、芯たちは噴火災害動物救護センターでロックと奇跡の再会を果たす。

が、避難住宅では犬は飼えない。

どんどん体調を崩し弱っていくロック。

「ロックは心に怪我をしてしまったの」


しかも島にはいつ帰れるかもわからない。


「僕たちは島に、ずっーと、ずっーと帰れないの?」
「ずっーと、ずっーと先になっても絶対に帰るよ」
「そうだ。俺たちは必ず帰る!」


そんな様々な不安と葛藤の中、芯はある決意をする……それは……。


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一匹の犬・ロックと家族の絆を綴る、実話から生まれたヒューマンドラマ。


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噴火のために家族が離散、避難後の慣れない都会での生活、そしてロックとの苦渋の別れ。

様々な苦悩、困難に直面しつつも、いつかみんなで故郷・三宅島に帰って、ロックとまた一緒に暮らす事を決して諦めなかった芯と家族たち。


三宅島の雄大な自然を舞台に、一人の少年と一匹の犬の目を通して、現代社会の中で失われつつある心と心のつながり、家族の在り方、故郷への想い、力強く生きていく力が描かれていきます。



正直、子供&犬……この組み合わせはもう飽きた感も無きにしもあらずだったのですが、麻生久美子をはじめ好きな役者ばかり出ているので、とりあえず観てみたところ……。


車で去る芯を追いかけるロック(その逆パターンもあり)、橋の上で再会しお互い走ってきて抱き着く……など、やはりベタな描写が多かった……が、このベタさにまんまとしてやられて気が付いたら泣いてましたあせるあせる

定番的な描写の連続なのだけれど、可愛い子供と犬に健気な演技をされたら、やっぱ泣けちゃいます。


でも実は一番泣けてしまったのは、悪ガキ風の太った子供が芯の着ているセーターに抱き着き、「ばあちゃん、ばあちゃん」と号泣するシーンだったりする。



何かというと「アチョー!」を連発する(あせる)麻生久美子が凄くいい!

時には落ち込みそうになる家族を明るく元気にさせる(でもちょっと気が強くて怖い)温かくも逞しい母親役を好演。


ロックにはあまり好かれていないようで(?)トイレ扱いされているあたりが可笑しい。

「ヌオオオオオオオ!!」という絶叫は、かなり笑えます。


父親の佐藤隆太、祖母の倍賞美津子、獣医の原田美枝子も好演でした。


ちなみに……芯の親友が先に島を去ることになり、別れの挨拶をするところで父親役で登場するは、あの佐藤二朗!(自分的には、超笑いのツボの役者)

切ないシーンなのにも関わらず、二朗さんが例の調子で台詞を言う度にもう可笑しくて可笑しくて……笑いを堪えきれなかったあせるあせる



それから噴火による地震のシーンが何度も出てくるのですが、まだ3.11の記憶が鮮明に残っているため、かなり生々しく感じました。


噴火の影響で泣く泣く島を離れる島民の姿は、東日本大震災で住み慣れた故郷を離れ去るを得なくなった方々の姿とオーバーラップし、これまた生々しいものが。