『パーティーは終わった』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『パーティーは終わった』


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【出演】
仲里依紗、成宮寛貴、永山絢斗、高岡蒼甫、林遣都、小出恵介、津田寛治、芦名星、渡部豪太


【監督】
行定勲




“恋だけでは満たされない……”


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あさくら十朱は、売れっ子のマンガ家。

美しいが、彼氏はいない。
仕事が忙しく、恋をする時間がないのだ。
マンガのネタも過去の恋愛ばかり。

悶々とした日々を送る十朱は、ゲイの友人に誘われ……ドレスを着飾りパーティーに出かける。


パーティー慣れした友人は素早くいなくなり、ひとり取り残される十朱。
どうにも居心地が悪く落ち着かない。


そんな十朱に、ボーイがカクテルを差し出し声をかける。


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「いかがですか?」
「チューハイあります?」
「ありません!」
「…………」

しばらくすると、また……
「いかがですか?」
「ホントにチューハイないの?」
「ございません!」
「チッ!」


会場の隅で、華やかな男や女たちを佇んでボンヤリ見ていると……その前を美しい男たちが次々と通り過ぎてゆく。

と、その男たちと目が合う十朱。


‘このパーティーで何かが起きる。そんな気がした……’


彼女は高鳴る胸の鼓動を抑えながら、目を閉じて想像に耽っていく。

目を開けると、そこには……。



-Episode1-「染められたい」


〈相手にとことん尽くす女〉


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画家の卵、ユウビと暮らす十朱。

「個展もうすぐだね。頑張って!」

十朱は、彼の‘絵’そのものになってしまいたい……そう思っていた。

またユウビも十朱をモデルにした絵しか描くつもりはなかった。


個展では一枚も絵が売れなかったけれど、絵の具まみれになってはしゃぎ回り、一緒に寝て……穏やかで幸せな日々が続いていたかにみえた時、ひとりの美しい女がアトリエを訪ねてくる。

「私をモデルに絵を描いてもらうことはできませんか?」


やがて、十朱とユウビの間には微妙な空気が流れはじめて……。

そして、十朱はまた違う男の色に染められていくのだった……。

「私をモデルに絵を描いてもらえませんか?」



-Episode2-「捨てたい」


〈サド心を爆発してしまう女〉


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泣き虫男のムサシにほとほと愛想を尽かした十朱は、
「別れよ」

それでもしつこく電話をかけてきては、相変わらずメソメソのムサシ。

「別れる前にさ、温泉に行こうよ。最後の旅行!」


二人での旅行に嬉しくて楽しくてニコニコしているムサシに対し……渋々とついて行った十朱はずっと仏頂面。

旅館の豪華な料理を食べても、酒を呑んでも気分は晴れず……逆にムサシの浮かれっぷりにイライラして当たり散らす始末。

真夜中……十朱のイライラが遂に爆発した。
幸せそうに眠るムサシの顔を……足の裏でグリグリと踏み付ける!

それでもムサシは、
「好きだ、好きなんだ、好きだ……」


翌日、十朱は言う。
「私のこと、好きになってくれてありがとう」

そしてロープウェイの中で、
「ちょっと目をつぶってて」

それから十朱の取った行動は……。



-Episode3-「殺されたい」


〈危険な男に翻弄されてしまう女〉


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真夜中の山道でヒッチハイクする十朱。

乗せてくれた車のドライバーは、黒い帽子にサングラスの謎の男。

その時、ラジオからは「強盗犯が逃亡中」とのニュースが流れてくる。

しかも後部座席には大きなトランクが!

‘もしかして、この男は……?’

すると突然、男は、
「ちょっと手伝ってくれない?」

その手伝いとは、穴を掘ってトランクを埋めることだった。

「このことは絶対に秘密だからね」

こうして疑惑はますます膨らんでいく……。


十朱は……
「わたし、共犯者になるから何処へでも連れていって」

とその時、カーラジオから‘逃走中の強盗犯逮捕’のニュースが!

「今日のことは忘れた方がいいよ。さよなら」
そう言い残すと去っていく男。


翌日、十朱はトランクを掘り返す。
果たしてトランクの中身は……?



-Episode4-「抱きしめたい」


〈男を束縛してしまう女〉


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ドシャ降りの雨の中、怪我をして路上に倒れている男を発見した十朱は、自宅に連れて帰り看病をする。

やっと目覚めた男は……
「あなた、誰?」

彼は記憶を失くしているようだ。

十朱は、思わず……
「わたしは、あなたの恋人。ずっと探してたのよ……トニー!」
(彼女はトニー・レオンのファンなので、咄嗟に浮かんだのがこの名前だった)

一緒に生活しながら、トニーを自分好みの男に変えていこうとする十朱。

‘記憶を失った男を自分のものにすると決めた’


しかし……ある時、橋の下でタップダンスをしていた少女と遭遇したのがキッカケで、トニーの記憶がうっすらと蘇りはじめ……。



-Episode5-「後悔したい?」


〈恋を面倒くさがる女〉


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売れっ子マンガ家・鬼川としのりが主催のパーティーもお開きの時間となった……が。

‘パーティーは終わった。これから本当のパーティーが始まる’


十朱を強引に外に連れ出す鬼川。

そして……信じられない出来事が次々に起こるのだった。

これは夢か?現実か?


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‘PARTY IS OVER’




5人の男とひとりの女。
女性なら誰しもが抱える‘恋愛への欲望’を刺激するアブナすぎる男たちとの5つのエピソードが織り成す……切なくもセクシーで刺激的な大人のラブストーリー。


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十朱が繰り広げる妄想の世界で、全く異なる女性像‘5変化’に挑戦した仲里依紗。


Episode1では、絵の具まみれになってのラブシーン、憂いげに煙草を吹かす仲さんの姿が印象的。

また、ブラウスのボタンをひとつひとつ外される描写は……かなりエロチック。



Episode2では、ずっと苦虫を噛みつぶしたような不機嫌な表情&しょっちゅう舌打ち。

しかも尻をクイッと上げての放屁、手酌酒、徳利のまま日本酒をグビグビ……など、見事な‘非女子’っぷりを披露。

それからラストでの別れのシーン。
ロープウェイが見えなくなるまで手を振り続け……その後に見せる表情が抜群!



Episode3での最大の見せ場(聴き場?)は、ピンクレディーの「ウォンテッド」を口ずさむ仲さん。

これがメチャメチャ可愛い!

ストーリーは謎に満ちたサスペンス仕立てで、結局は最後まで明かされなかったトランクの中身が何だったのかが非常に気になる!?



Episode4は、年下の男をまるでペットのように可愛がる女の心理が描かれます。

「トニーおいで!トニー、トニー!ほら、おいで!トニー!」
と呼ぶ様は、まさにペットに対するそれそのもの?

『ヤンメガ』の花ちゃん以来となる三つ編み姿にも注目です。



Episode5は、『トワイライト・ゾーン』を彷彿とさせるホラー風な味付け。

ゾンビ軍団とのダンスは『スリラー』へのオマージュ?

単なる夢オチかと思いきや……ラストのアッと驚くオチには、ニヤリ&ゾッ~~あせるあせる



5人の豪華イケメン男優陣と仲さんとの絡みは面白かったですが、なにげに目立っていて儲け役だったのが、ボーイを演じた津田寛治。

しょっちゅう十朱の元に寄ってきては~「いかがですか?」

希望に応えてちゃんとチューハイを用意してきたり、そっと傘を差し出すなど超気が利く奴なのです!


番外編としてこのボーイとの妄想ストーリーも観てみたかったかも(笑)。


個人的には、Episode2が一番お気に入り。

切ないラストには、思わずウルウル。

仲さんの‘ドS’っぷりもサイコーです。



元々は携帯ドラマだけれど、完成度は高い作品。

行定監督は「映画として撮った」と公言しているだけに、できるなら劇場のスクリーンでも観てみたいものです。