『28日後...』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『28日後...』


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【キャスト】
キリアン・マーフィー、ナオミ・ハリス、ノア・ハントレー、ミーガン・バーンズ


【監督】
ダニー・ボイル




“わずかな未来は始まっている”




動物愛護活動家が医療科学研究所を襲撃した。

研究員は「チンパンジーが危険な感染症にかかっている!」と警告するが、活動家は耳を貸そうとしない。
檻から出した途端、チンパンジーは研究員や活動家に襲いかかる!

感染症の正体は、感染すると数秒で脳に侵入して精神を司る部分を破壊し、‘凶暴性(レイジ)’を剥き出しにし、見る者すべてを殺したくなる恐るべきウイルスであった。


外部に流出したウイルスは瞬く間に蔓延、ロンドンはゴーストタウンと化してしまう。


ウイルスの感染拡大から28日後……交通事故で意識不明だったジムは病院の一室で昏睡状態から目を覚ます。

変わり果てた風景に呆然としながら、人気のないロンドンの街をさ迷うジム。


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何が起きたのか彼に分かるはずもなく、新聞を拾いわずかな痕跡を探す。

全島避難?伝染病?死のウイルス?

たまらず「Hello?」と呼びかけるジムの声は、ビルの谷間に虚しく響き渡る。

教会に入り、再び「Hello?」と呼びかけると……その声に反応したのは、目を血走らせて襲い掛かる神父と、死体の山に紛れていた感染者たちだった!


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ウイルスは血液を媒介とし、数秒で人間の精神を破壊する。感染者は親でも兄弟でもすぐに殺さなければ自分の命もない。


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セリーナ、フランク、ハナといった仲間を得たジムは、感染者たちの攻撃をかわしながら、特効薬を見つけたというラジオ放送を頼りにマンチェスター郊外まで車を走らせる……わずかな希望を込めて。


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そこにどんな恐怖が待ち受けているとも知らずに……。


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人間を凶暴化させるウイルスが蔓延し、感染者が人々を襲ったために壊滅状態になったロンドンを舞台に、生き残った人々のサバイバルを描くSFホラー。



ゾンビ映画かと思いきや、全然違っていた。
ホラー?SF?戦争映画?黙示録映画?
強いて言うなら、それらの全てを内包する希望に満ちた人類滅亡映画か。

現在でも人類を脅かし続けるウイルスに、人間が本来持つ怒りと破壊の衝動と、未来に希望はあるのか……という根源的な物語。



ウイルスが肉体ではなく、精神を冒す。
そんな世界に希望を持てるか。それでも生き残りたいか。敵は人間なのか、感染者なのか。

最後に残された生存者たちは、上空を飛ぶ戦闘機に向かって合図を送る。

しかし、その合図は‘Help’ではなく、‘Hello’。

上空の彼らは敵?味方?
避難した残りの人たちはどこかにいるのか?

それは最後まで明かされません。

ただ、絶望的な状況にも希望を感じさせてくれるラストであることは間違いない。



奇しくも現在の日本と重ね合わすことができる内容とも言えるような……。