
【出演】
カンニング竹山、佐々木蔵之介、與真司郎、忽那汐里、寺島しのぶ、波瑠、柄本佑、日村勇紀、池内博之、大杉漣、キムラ緑子、升毅、佐野史郎
【監督】
佐藤祐市
“ただ、貴方を護りたいんです!”
メタボ、ハゲ、薄給……全くいいところなしの須賀啓一は、鬼嫁に頭の上がらない甲斐性なしのダメサラリーマン。

「あのぉ、すいません……今日のお小遣いを」
と、一日のお小遣い‘500円’を貰ってから出勤するのが日課。
「あ、ゴミ捨てていけよ」
「はい!」
そんな彼が、満員電車の中でいつも見かける女子高生がいた。
イマドキの女子高生とは思えないほど純粋無垢な宮野涼子である。
電車では老人に席を譲り、街頭では病気で苦しむ子供達のために募金活動に勤しむ心優しい女の子だ。

ある朝、啓一が転んだ拍子に落とした虎の子の500円玉を涼子が拾ってくれた。

「大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます!」
この瞬間、啓一は完全に惚れた!涼子に恋をしてしまった!
涼子を世間の悪意から守るため、啓一は勝手に彼女を守るための存在‘守護天使’になることを決意する!
その頃、ネット上で「ある女子高校生の日記」と題されたブログが開設された。

啓一が勤務する塾で担当している引きこもりの学生・佐々木大和が偶然見つけたそのブログには、彼女が書いたらしい淫らな日々が綴られていて……。
そのことを幼馴染のチンピラ・村岡に相談するも、
「イマドキの女子高生はな、そんなもんだ。乱れてるぞ」
と一蹴。
「違う!彼女はそんな子じゃない!いい子なんだ……優しくて」

闇サイトの罠に捕まった涼子を魔の手から守る決心を固める啓一。
「俺が護衛する!」
「お前、ヒーローにでもなったつもりか?何でそこまで?」
「40年間生きてきて、生まれて初めて恋をした。初恋だ!」
家出をして、会社まで辞め、涼子を密かに護衛する啓一だったが……悲しいかな、その容貌から……
「警察呼びますよ!」
完全に変質者扱い。
やがて、センセーショナルな内容のブログは、巨大掲示板で祭を引き起こし、その悪意は涼子へと忍び寄っていき……。
啓一は、村岡と大和の助けを借りて、涼子を救うべく颯爽と(?)立ち上がる!

さえない中年サラリーマンが‘初恋’に一念発起して、純真な女子高校生を守るために立ち上がる姿を描いたハートフル・ラブコメディ。
徹底的に運から見放されて……やることなすことが上手くいかなず、ミジメ街道一直線の啓一。
しかし‘初恋の憧れの相手’である涼子を陰から必死に守る様は、あまりにも健気すぎて涙が出てくる?
「俺が書いた手紙を彼女が読んでくれた。それだけで充分だ。それだけで凄く幸せなんだ」
この啓一の良き相棒(?)なのが、アウトサイダーの村岡。
「協力してやってもいいけど、金を持ってこい」
「金なんかないよ」
「心配すんな。お前にピッタリのところがある」
「え?モデル?えー!日給10万!?」
こうして送り出されたのが、‘デブ専’ゲイ雑誌のモデル。
撮影でこっぴどい目に遭わされた挙げ句、どうにか10万を手にしたものの……○○の痛さと情けなさから、シクシク泣きながら街を歩く啓一の姿が哀愁たっぷりで可笑しくも切ない。
ところが、この時、無理矢理に穿かされていた‘赤フンドシ’が、後に窮地を救うことになるのだ!
カンニング竹山が、真面目でお人よし、ひたむきすぎるくらいひたむきな啓一役を好演。
超カッコ悪くて超情けないんだけど、突拍子もない決意と熱意は、勇気を与えてくれる。
観ているうちにいつしか「頑張れ!」と応援してしまうこと間違いなし?
エキセントリックでバイオレンスな鬼嫁役の寺島しのぶが、かなり怖い


でも最後には……。
ヒロインの涼子を演じた忽那汐里は、ヘンタイ野郎コンビに拉致されてクスリで眠らされ……制服姿で手足をベッドに縛り付けられてしまうシーンが衝撃的!?
そのコンビの片割れがバナナマンの日村。
ニタニタ不気味な笑みを浮かべて、忽那汐里を襲おうとする日村がかなりキモくてハマり役です。
ペーソス感たっぷりの純愛物語でした!
