
【キャスト】
ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、ヨハンナ・ガストドロフ
【監督】
マルク・ローテムント
“ヒトラー政権に立ち向かった21歳の女性の勇気……”
1943年、ミュンヘン。
ヒトラーが破壊的な戦争をヨーロッパで遂行する中、そのほとんどが大学生から成るドイツ人の若者たちのグループがあった。
ナチスによる非人道的戦争を終結させる効果的な道は、非暴力的なレジスタンス運動に訴えることだと彼等は考えていた。
こうして、第三ドイツ帝国を失脚させるべく、レジスタンス組織‘白バラ’が結成された。
ゾフィー・ショルは、唯一の女性メンバーとしてグループに入る。
純粋なゾフィーは、兄のハンスと共に献身的に抵抗運動を行うなかで、一人の女性としても成熟していく。
1943年2月18日。
ゾフィーとハンスは、大学で反戦チラシを配っていたところを逮捕されてしまう。

ゾフィーは数日間に渡り、ゲシュタポ将校のモーアに尋問され、やがてその尋問は激しい心理戦と化す。
彼女は恐怖に駆られながらも仲間の情報提供を頑なに拒み、モーアに挑戦する決意をし、動揺したかと思うと、また立ち向かって行く。

信念が強固なその姿勢に、ゲシュタポでさえ思わず彼女の存在感に圧倒されそうになる。
しかし決定的な証拠が上がり、兄と白バラの仲間を守るため……ゾフィーは命がけで最期の試みにでる!
ゾフィーの並外れた勇気に心を打たれモーアは、彼女に逃げ道を提案。
が、その代償は自分自身の理想を裏切る行為に他ならない。

ゾフィーはその申し出を断り、自らの運命を封印して……そして非情な判決が下される。

「戦争が集結して連合軍が進駐してきた時は……今度はこの場所にあなたたちが立つことになるわ」
ヒトラー政権下で、非暴力的なレジスタンス運動を展開していた実在のドイツ人学生グループ・白バラの紅一点であるゾフィ一・ショルが逮捕され、6日間という異様な速さで処刑されるまでを緊迫した展開で描く人間ドラマ。
『ヒトラー~最期の12日間~』のラストでも、このゾフィー・ショルの存在が少しだけ触れられていました。
彼女は、自らの死を賭し、勇気を振り絞って戦争の悲惨さを訴えたのです。
近年になって新たに発見された記録資料を元に忠実に再現されたゾフィーとゲシュタポの尋問官の手に汗握るやり取り、心理的駆け引きは、かなりリアル。
死と隣り合わせの恐怖と戦いながら、信念を貫くゾフィーの姿に涙。
ラスト……ギロチン台へと歩を進めるまでの描写は、可哀相すぎて思わず目を逸らしたくなる。
レジスタンス運動をしただけで(しかも暴力的行為は一切していない)直ぐさま処刑してしまう当時のドイツの情勢を痛いくらいに突き付けてきます。
エンドロールではゾフィー本人の写真が映し出される。
その笑顔が哀しく切ない……。