
【出演】
中村獅童、小栗旬、新井浩文、吉村由美、劇団ひとり、石井智也、松本実、三池崇史
【監督】
井上靖雄
“奴は、隣に住んでいる……”
かつていじめられっ子だった村崎十三は、一見穏やかな青年に成長し、現在は建設作業員の仕事に就いている。

彼は、小学生時代に同級生の赤井トールから酷いいじめを受けていた。
だが、彼のカラダには凶暴な別人格“13号”が巣食っており、怒りの沸騰と共に顔を出すことに!

十三は復讐を果たすべく、赤井夫婦の住むアパートの‘13号室’に引っ越してくるが……。

建設現場のリーダーになっていた赤井は相変わらずの性格で、十三が同級生であったこともすでに忘れ去っており、新入りの十三をまたもいじめるのであった。
復讐の実行段階に至っても消極的な十三を13号は恫喝し、少しずつ十三の人格を乗っ取ってゆく。

そして少年時代の自分をいじめた赤井トールへ、10年越しの壮絶な復習を仕掛けるのだった。
しかし、その凶暴性は徐々に増していき、ようやく事の重大さに気付いた十三は、なんとか“13号”を抑えようとするが……もはや自分の力ではコントロールすることは出来なくなっていた!
二重人格の青年の壮絶な復讐を描いたネオ・サイコ・サスペンス。
十三の人格を13号が乗っ取る瞬間はゾッとするが、と同時に、誰もが持つであろう裏側に秘められた暗黒面を垣間見るような感覚にも襲われます。
最終的に十三(13号)は、憎き赤井に対してどのような復讐を遂げるのか……と思いきや、それは敢えてぼかした描写となっており、観た人の解釈に任せるような抽象的なラストとなっています。
劇場公開時は‘R-15’指定だったみたいですが、それほどグロさは感じず。
ただ一番グロかったのは、赤井がトイレの個室をのぞき見るシーンです。
有り得ないグロさに(?)思わず目を逸らしてしまいました( ̄□ ̄;)
超リアルだったけど、まさか本物ってことはないよね?(笑)。
(このシーンは、モノを食べながら観るのは絶対にやめましょう


十三を演じる小栗旬は、小学生時代に遭ったいじめのトラウマに悩まされながら、正常と狂気の間で揺れる難役を見事にこなしています。(オールヌードにも!)
そして、十三の別人格“13号”役の中村獅童。恐怖の顔面メイクを施し、完全に壊れきった極悪非道の殺人鬼を生き生きと(?)怪演!
粗野で粗暴、しかし何よりも家族を愛している赤井役の新井浩文も好演です。
そして13号に惨殺される隣人役では、なんとあの三池崇史監督が登場。
ちなみにこの作品、いまハリウッドでリメイク版が作られているみたいです。