
【出演】
榮倉奈々、勝地涼、北条隆博、橋本淳、尾上寛之、岡田義徳、星野亜希、笑福亭松之助、高樹沙耶、高橋克実、久保晶
【監督】
長江俊和
“阿波踊り「伝統芸能」×ヒップホップ「若者文化」2つの文化が融合!
300年に一度の奇跡がやってくる!”
真っ青な空と海が美しい、瀬戸内の“渦”の町、徳島・鳴門。
だが、そんな景色とは裏腹にどんよりした気持ちでこの町に引っ越してきた少女がひとり……川村茜である。
東京では、4人組ヒップホップユニットのリーダー格として活躍し、ダンスにかけては、大会で優勝するほどの実力。
ニューヨーク行きを誘われたばかりだったが、突然父と離婚した母・恭子が、茜に何の相談もなく勝手に生まれ故郷への里帰りを決めてしまったのだ。
入院中の祖父・宗助の看病をするつもりらしい。

新たな住まいは、およそヒップホップが似合わない古い日本家屋。
絶望的な気分で、
「人生終わった……」
その頃、地元の高校生・コージは、ユッキー、カズ、ミノルと一緒に、行きつけの‘うずしお食堂’にいた。
‘渦オタク’の物理教師・湯川から聞いたという300年に一度現れる奇跡の渦伝説を、熱く語り始めるコージ。
「渦のど真ん中から現れる天女は、背中に黄金の石を背負っていて、その石を拾った者に奇跡が訪れるらしいんや。しかも、今年がその300年目に当たるんやて。きっと何か凄いことが起こるに違いないで」
「よっしゃ人生これからや!」

と、そこに現れたのは、キックスケーターに乗った茜。
この辺りでは見かけたことのない洗練された美少女の姿に興奮し、
「天女さーん!」
と叫びながら追いかける4人。
その途中、コージは、茜が大切にしているダンス大会優勝記念の金メダルを拾う。
そうとは知らず、落としたメダルを必死で探す茜。
翌日、転校生として、鳴門西高校に初登校した茜は、さっそくダンス部のドアを開く……が中では、昨日の4人組が阿波踊りを踊っていた。
「無理……」
逃げようとしたところを勧誘されてしまい、
「私無理、そんなダサい踊り」
と一蹴!
伝説の天水と呼ばれる父・孝雄を尊敬し、誰よりも阿波踊りを愛する男・コージは、この言葉に激怒!
「阿波踊りはこの町の宝や! 400年の伝統があるんやぞ!」

引くに引けない二人は、校庭でダンスバトルを繰り広げることに。
走り寄ってきた生徒たちは、地元の伝統・阿波踊りを支持……するのではなく、初めて見るヒップホップに大興奮するのだった。

阿波踊り本番まであと1ヶ月。
だが、ユッキー、カズ、ミノルはヒップホップに夢中で、阿波踊り部は廃部の危機。
「茜と踊りたい……でも、コージとの友情を捨てるわけにもいかない」
そこでユッキーが思いついた素晴らしいアイディア、それは阿波踊りとヒップホップを融合させること!
茜とコージも言葉の弾みで嫌々ながら参加することになり、かくして‘チーム阿波DANCE’が結成される!
彼らが目指すのは、誰も見たことのない‘AWA DANCE’だ。
だが、AWA DANCEは阿波踊りの審査会で、コージの父・孝雄に、
「こんなん踊りやない」
と却下され、披露する場がなくなってしまう。
帰り道、いつものように口げんかを始める茜とコージ……こうして‘チーム阿波DANCE’の活動も消滅してしまった。
AWADANCEへの思いを捨てきれないユッキーは、茜を誘い出し、もう一度一緒に踊ろうと説得するが、いい返事はもらえない。
一方のコージは、茜に金メダルを返すが……
「いつまでも昔の自分を引きずっている」
この言葉に腹を立てた茜は、メダルを海に投げ捨ててしまう。
そしてニューヨーク行きを決意し、孝雄にAWA DANCEを否定した理由を聞きにいくと……。
「あんたの踊りからは何も伝わってこんかった。阿呆になれてへん」
それを聞いていたコージは茜をかばい、日ごろから溜まっていた父への不満を爆発させる。
「もうええ、俺らには俺らの踊りがあるんや!」
駅に向かった茜を追いかけたコージは、海に潜って探し出した金メダルを手渡し、茜をとある場所に連れて行く。
そこでは、地元の人たちが熱心に阿波踊りを練習していた。
その楽しげな様子を見て、思わず阿波踊りのステップを踏む茜。
「ねえ、もう一度やってみない?」
こうして、再始動した‘チーム阿波DANCE’。
だが、茜に恋心を抱くユッキーだけは、複雑な気持ちのまま、いつしか練習に参加しなくなる……。
コージは、ユッキーを責め、二人は殴りあいに。
通りかかった茜が喧嘩を止めようとするが、ユッキーは茜に想いを告白し、その場を立ち去ってしまう。
チームは、再びバラバラになってしまうのだった。
阿波踊りの本番当日。
会場に集まったのは、コージ、カズ、ミノルだけ。
だが、ユッキーと茜が来ない理由を語ろうとしないコージに腹を立てた、カズとミノルも参加を拒否。
コージはたったひとりで踊り始める……。
AWA DANCEは幻に終わってしまうのか?
300年に一度の奇跡は起こらないのだろうか?

恋も友情もダンスも絶対に“あきらめない”高校生たちの姿を描いた青春ストーリー。
反発しあいながらも、やがてひとつの目的に向かって団結していくメンバーたち。
諦めずに一生懸命頑張れば不可能も可能になる!
そのエネルギーは、何かに挑戦する勇気と元気を与えてくれ、忘れかけていた熱い気持ちを思い出させてもくれる。
クールな女子高生を演じた榮倉奈々。
キュートなダンスシーンを披露する他、両親の離婚と突然の引越しに戸惑いながらも、心の奥に寂しさを閉じ込めた繊細な感情と成長過程を鮮やかに表現。
その相手役の勝地涼。
意地っ張りで不器用だけど、根は優しくて純粋な少年を魅力的に演じきっています。
「人生一度きりや。阿呆になってみい」
茜の祖父のこの台詞がいい!