『僕らのワンダフルデイズ』【2】 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

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コンテストのテープ審査が通ってますます練習に熱が入るメンバーであったが……急に山本が倒れて病院へ搬送されてしまう。


病室の外で待機する4人に山本の妻がこう告げる。

「同じ病気の藤岡さんが頑張ってるんだから、自分も負けられないって無理しちゃってたみたいで」
「同じ病気?」

と、そこにひとりの医師が……
「先生!」
「あれ?藤岡さん」

それは徹の主治医だった。

主治医から詳しい話を聞いた徹は呆然となる。
「53歳、男性、末期ガン、余命半年」とは、徹ではなく山本のことだったのだ!


その事実を知って呆れ返る栗田たち。

「お前の勘違いだったのかよ!」
「すまん!頭丸めてお詫びするよ」
「もう丸まってるよ。どうすんだよ!」
「俺、どうしたらいい?どうしたらいいよ?山本になんて言えば……合わす顔がないよ」


章子からは「誠心誠意、謝ってきなさい」と諭されて……。


徹は恐る恐る山本の病室に足を踏み入れ……
「山本、すまん!すまん!」
「相変わらずそそっかしいなぁ、テッちゃんは」
「…………」
「でも感謝してる。バンドやってよかったと思ってる。音は家族にも遺って、死んでも持っていけるんだろ。俺さ、バンドができて最高に楽しいよ。だから、みんなでコンテストに出よう!頼む!」
「…………」
「俺を騙したんだから、最後くらい言うことをきけ」
「うん、うん!」


いよいよ‘全日本ナイスミドル音楽祭’当日。

会場であるZepp Tokyoには大勢の観客が詰めかけ、その中にはメンバーの家族、友人、同僚の姿も。


楽屋で待機しているシーラカンズ。

とそこに、栗田の妻が慌てて駆け込んでくる。
「お母さんがいなくなっちゃった!」

ボケていて徘徊癖のある母親が勝手に会場の外に出て行ってしまったらしい。

ステージの時間は迫っている!
「みんなで手分けして捜そう!」

歩き回れない山本を残して外に出て行く4人。

そして……遂にシーラカンズの出番がきてしまった。山本はひとりでステージ袖へと向かうが、惜しくもタイムアップ?!
欠席扱いになりかける寸前……間に合った!無事に母親は見つかり、走り込んでくるメンバーたち。

5人揃った!シーラカンズのステージの開幕だ!


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「シーラカンズ、GO!」

「高校時代にみんなで作った思い出の曲です……『僕らの旅』!」


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‘いつまでも 僕らの旅は つづく’



そして……。
和歌子の結婚式の日。
シーラカンズはお祝いの演奏をすることになった。

「俺、緊張してきちゃったよ」
「コンテストでもあれだけやれたんだから心配ないって」
「優勝できなかったけどな」

そこに、既に歩くことすらままならず、車椅子に乗せられた山本が妻と息子を伴って姿を見せる。

「山本、来てくれたんだ!中に入ってくれよ」
「いや、ここでいい。今日はお前たちの演奏を聴きに来ただけだ」

山本はガラス越しにシーラカンズの演奏を見守る。


徹は、
「生きていることは奇跡です。いまこの時を大切に思う気持ちをずっと忘れないでください……和歌子!愛してるぜ!」

曲はアップテンポの軽快なロックナンバー『ドキドキしよう』。


イントロを聴いた瞬間、山本は……
「あいつら、この曲を……」
思わず立ち上がり、
「俺のお気に入りの曲なんだ」

しかし山本の体力も気力も限界に近付いており、演奏の途中で去っていく……が、その表情はとても穏やかで笑みさえ浮かんでいた。


徹はおもいっきり歌う、歌う、歌う!
その曲は和歌子へのプレゼントであると同時に、山本へのプレゼントでもあった……。



‘みんな何かを背負って生きている。家族って、夫婦って、親子って、仲間って……彼らが気づいた本当に大切なもの’



笑えます!泣けます!最後には大きな感動が待っています!


自分はガンだと早とちりし、泣きに泣いて人生の絶望感を嫌というほど味わう徹と、こちらは本当にガンで余命少ない山本。
この二人を救ったのは、愛する家族と妻、かけがえのない大切な仲間、そして音楽!

ライヴシーンは涙なくしては観れません。


いい年をしたオヤジたちがバンドを再結成してステージに立つ姿は、鳥肌が立つくらいカッコイイビックリマークビックリマーク



ちなみに……徹が和歌子の結婚相手のことを「あんな妖怪みたいなの奴!」とボロクソにけなしていましたが、その‘妖怪’は結婚式のシーンで明らかになります。

キャスティングを見れば、だいたい想像がつくかと?(笑)。