『ボーイズ・オン・ザ・ラン』【2】 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

あれ以来、ちはるに無視され続け……へこみにへこむ田西は、公園で青山とバッタリ。

「ちはるちゃんとは、もうやりました?」
「いや……まだ。大切にしたいから」
「へ~純愛ってやつですか?」
「まあ」

田西が食べているカップ麺に、
「美味そうっすね、ちょっと貰えますか?」
「ああ、どうぞ」
「美味い!ありがとうございました」
「もういいの?」
「人が食べてるモノって、なぜか美味そうに見えて欲しくなりますよね。でも少しだけだから美味く感じるんですよ」

何とな~く意味深な発言。


会社の同僚の結婚式で、田西はとんでもないスピーチを敢行!

「○○○ームを付けてある行為をしてもらおうとした私ですが、ただ……くわえてもらう前に射○してしまいました。従って、断じて性行為はしておりません!私はあなたが大好きです!信じてください!ご静聴ありがとうございました!」

出席していたちはるに向かって、泣きながらこう訴えるも……。


青山とまた顔を合わせた田西。
「ちはるちゃんと、もうさすがにやりましたよね?」
「……う、うん……やった、やった。とっくに」
「いいなぁ」
「何なら今度さ、貸してやるよ」
「はあ?遠慮しときます。田西さんと‘兄弟’になんかなりたくないですよ……でもホントにいいんですか?」
「もちろん!」


客としてしほの店に足を運び、ちはるについて尋ねる田西。

「ちはるちゃんさ、男が出来たみたいよ。うまくいってないの?」
「あれ以来、口をきいてくれないです」
「元気出しなよ!じゃあ、始めますか?」
「いえ!そういうつもりで来たんじゃないんで。それに駅のトイレで2回抜いてきましたから、もう出ません!」
「やっぱ変だわ~田西君、キモいわ~。じゃあキスだけならいいでしょ?」


その帰り、某ショップに立ち寄り買い物をしていると……なんと青山とちはるが仲良く‘オモチャ’を物色している現場を目撃!

二人を尾行して、ちはるがひとりになった時に声を掛けて問い詰めるも、
「青山さんと付き合ってるから」
「……そう。あ、俺は……ちほさんとキスしたよ」
「…………そう」


そんな中、ちはるが会社の企画を青山を通して‘マンモス’に流していた事実が発覚し、退社することに。

「青山さんにフラれた……しかもさ、妊娠してるんだよね」
「そんな……どうして!」
「元はと言えば、田西さんがしほさんとあんなことしたから、こうなったんじゃん!ホントは田西さんと付き合いたかったのに」


田西とちほは、ちはるの中絶手術に付き添って病院へ。


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「どうすんの?好きな人取られて、オマケ付けて返されて」


田西は青山に抗議の電話を入れるが、完全にコケにされる。

「まあ、ちはるとは楽しませてもらいましたよ。僕、言いましたよね~人のモノが欲しくなる性質だって。あ、そうだ!ちはるとのハメ撮りをメールで送ります……なぁんてね」

小心者の田西も、これには遂にブチギレ!

「テメーふざけんな、バカ野郎!必ずぶん殴りに行かせて頂きますから!」
「そんなことしたら会社クビになっちゃいますよ」

するとこのやり取りを聞いていた斎田社長が電話を替わり、
「田西はクビになんかしません。思う存分やらせますよ」

こうして会社ぐるみで田西を応援することとなり、社長の厳命を受けた鈴木がボクシングのコーチを担当。

「田西さん、頭で考えちゃダメです。心の中の狂気を引きずり出すんです」
「鈴木さんは、ボクシングを?」
「さあ、どうですかね」


憎っくき青山をぶっ倒すために、激しい特訓を開始する田西。

その姿を見たちはるは、
「そんなの何の意味があるの?大っ嫌い!」


会社を辞め、明日引っ越すことになったちはるの送別会の席で、田西はカラオケで「夢をあきらめないで」を泣きながら熱唱!


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「あいつ、明日殴り込みに行く気だな。あいつさ、大事なことがある前日には必ずこの曲を歌うんだよ。初めてソープに行く前日もそうだったし」


そして……別れ際、ちはるに、
「明日、青山に勝つから。必殺のサラリーマン・アッパーで!」
「……」


田西は気合いを入れるためと凄みを出すために、二次会の席でモヒカンにするが……「ヘン、ヘンだよ、それ!ヤベー、腹イテー!」
大爆笑の渦に。

「え?ヘン?」


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翌日、辞表を提出した田西は青山のいる‘マンモス’に殴り込み!

「御社の青山君を殴りに来ました!」

ところがオフィス内は嘲笑……完全にバカにされている。

「それからよ、マンモス!テメーら、ウチの会社の企画をパクっただろ!パクってメシ食ってんじゃねえよ!」

この言葉に怒ったのがマンモスの社長。
「青山、このケンカ買ってやれ」
「はい」


斯くして田西と青山は、公園で一騎打ちを!

「まあ、チャチャっと済ませちゃいましょうか」
余裕しゃくしゃくの青山。


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田西はボクシングポーズから必殺のサラリーマン・アッパーを繰り出す……が……あっさりと躱され、
「それがサラリーマン・アッパーですか?昨日、ちはるが教えてくれました」
「え?」
「せっかくの作戦、無駄になっちゃいましたね。裏切られてばっかりじゃないですか」

一方的に殴られ蹴られてボコボコにされまくる田西だったが、だが彼には究極の‘最終作戦’があった!

その‘最終作戦’とは……!?


そして……傷だらけの田西は、引っ越すちはるを見送りに駅のホームへ。

「どうしたの?凄い顔……やっぱり青山さんと戦ったの?」
「まあ」
「あの……青山さん、大丈夫?ケガしてない?」
「……あいつはケガひとつしてないよ」
「よかった」
「………………」





とことんミジメで、とことんカッコ悪い、でもそこがカワイイ(?)田西。

ちょっとヘンタイ的で不器用すぎる彼が必死で恋にしがみつく様は、とても情けなく最高にカッコ悪いけど、それでも前に前に進む姿に……いつしか感情移入していってしまう。


超イヤ~~な男を演じた松田龍平。
缶コーヒーを飲むシーンが何回か出てくるのですが、手にしていたのはやはり‘BOSS’でした(笑)。


清楚なんだか淫乱なんだかよく分からず……田西をおもいっきり掻き回すちはる役の黒川芽以が好演!


それからソープ嬢・しほを演じたYOUが、メチャメチャいい!
何気なく発するエロい台詞に大爆笑の連続。



銀杏BOYZの峯田和伸がサイテー男をサイコーにカッコ悪く(そこが逆にカッコいい)演じていて、超ハマり役!

彼の歌うパンク・バージョンの「夢をあきらめないで」は必聴です。



映画史上に遺る(?)サイテーな主人公・田西敏行の生き様を体感せよ!

観終えた後には、勇気と元気がもらえるはず……たぶんあせるあせる



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