『ユビサキから世界を』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『ユビサキから世界を』


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【出演】
谷村美月、北乃きい、麻里也、永岡真実、上原香代子、光石研、土屋久美子、中山祐一朗、アンダーグラフ


【監督・脚本】
行定勲




舞台はとある地方都市のとある高校。

今日も退屈な授業が続く……。


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そんな中、教師に隠れてメールのやり取りをする仲良しグループのリンネ、ウタ、ラン、タマ。


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‘死にたい’
‘じゃあ今夜、いっそ死のうか’


家庭内問題、妊娠などそれぞれ問題を抱えていた4人は、希望のない日々・退屈な授業に嫌気がさし突発的に集団自殺の計画をたてる。

「ねえ、この際、4人で死んでみない?」
「ああ!それ、いいかもね!」
「え?マジ?そういうことに決まっちゃったの?」
「決まり!」


その様子を離れたところからジッと見つめているイジメられっ子の乳牛。


放課後、彼女たちはタコ焼きを食べながら……
「やっぱ首吊りかな?」
「レンタカー借りて練炭でしょ?」
「飛び降りだよ!やっぱ王道でしょ?飛び降り」
「飛び降りかぁ~それしかないか」

と、屈託なく自殺の相談を。


‘最後の晩餐は、みんなで決めた。どうせこんな世の中、死んでも未練はない’

「私たちが死んだらさ、ニュースになるかな?ワイドショーで取り上げられて大騒ぎになるかな?」
「そんなのすぐに忘れられるよ。明日死んでも明後日には忘れられてる」


‘私たちの自殺は謎のまま忘れられる。どうせ、ちっぽけな存在だ’


「じゃあ、今夜12時に校門前に集合ね!」


いったん家に帰った彼女たちは、母親に、彼氏に、祖父に、家族に……黙って別れを告げる。


その夜……。

学校に集まったものの、リンネの姿がない。

「何かあったのかな?もしかして気が変わった?」
「リンネは来るよ、絶対!」


と、そこに乳牛が現れ……突然、彼女たちを襲う……が、逆に捕まってしまい……。

「何でこんなことするんだよ!?」
「あんたたち、死ぬんでしょ?死なせないからね。私はあんたたちにイジメられた復讐をするんだ!だから死なせない!」


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一方、学校に向かっていたリンネは夜道でタクシーに撥ねられてしまう!
ピクリとも動かないリンネ。

「ヤベー」
死んだと思い込んだ運転手は、山林に運んでリンネを埋めてしまう!

ところが……いきなり土の中から手がニョキッ!

「生きてた?生きてたのか!」

土まみれで這い出てきたリンネは、
「死ねない……まだ死ねない」


タクシーに乗って学校へと急ぐリンネ。

「間に合った」


4人揃った。集団自殺を決行だ。


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手を繋いで屋上に佇む。
それを見つめる乳牛。

「乳牛、あんたも来る?」
「うん」
「こうしてるとみんなの手の温もりを感じるね」
「温かい……ポカポカしてる」


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自殺決行まで時間が少なくなり死を意識し始めた5人の心は微妙に変化し始めていき……。


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そして……。

‘今日という一日は、生きていれば報われる日が来るのだろうか?それを信じるのも悪くないと思った’

朝焼けの中を彼女たちは元気よく駆けて行く。

「見つかった!」
「何が?」
「永遠が!」


‘ユビサキから世界が変わる’





行定勲がアンダーグラフの曲にインスピレーションを受けて撮った作品。

63分の短編ながら、女子高生たちの友情、不条理な日常への悩みや苦しみなどを見事に描いた青春ドラマ。


あっけらかんと自殺を企てる彼女たちも、それぞれの内面では激しい葛藤があった。



谷村美月と北乃きい、夢の共演!

谷村美月は、完全に顔が埋まるまで土をかけられ、その後には全身土まみれになって這い出てくる様子を吹き替えなしで演じています。
(まさに体当たりの演技!)


髪をアップにしてメガネっ子のため、かなり雰囲気が違う北乃きい。

屋上でタバコをプカプカ吸うシーンがあるのですが、大人ぶっているけれど慣れていない感じの吸い方が可愛い。