『行きずりの街』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

某シネコンにて『行きずりの街』を鑑賞。

(なんと客は自分ひとりでした……完璧プライベートシアター状態)


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【出演】
仲村トオル、小西真奈美、南沢奈央、窪塚洋介、菅田俊、佐藤江梨子、谷村美月、杉本哲太、ARATA、石橋蓮司、江波杏子、うじきつよし、でんでん、宮下順子


【監督】
阪本順治


【ストーリー】
郷里で塾講師をしている波多野和郎は、連絡が取れなくなっている元教え子・広瀬ゆかりの行方を追って、12年ぶりに東京にやって来た。

都内にある名門女子高・敬愛女学園の教師をしていた彼は、生徒だった手塚雅子との恋愛スキャンダルで教師の職を追われた過去があった。

東京に着いた波多野はゆかりが住む高級マンションを訪ねるが……何者かに物色された痕跡を発見!

ゆかりの失踪の背後に事件の存在を感じ始める。

そして名門校の不正疑惑に気付き、その渦中に巻き込まれ……ハードボイルドなストーリーに、別れた妻と運命的な再会を果たすロマンスを加味した恋愛サスペンス。


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脚本・丸山昇一、撮影・仙元誠三、製作・黒沢満とくれば……東映セントラル時代の松田優作の『遊戯』シリーズなどを思い起こさせてくれる布陣です!

しかも主演はその優作を崇拝している仲村トオル、監督は骨太の作品を得意とする阪本順治ですからイヤでも期待が高まる!

と言いつつ……実は南沢奈央と谷村美月が目当てで観たんですがあせるあせる


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主役の波多野は、とにかく弱い。
しょっちゅうボコボコにされっぱなし。
最後の最後に、あるところに隠していた木刀で敵をやっつけるものの……へっぴり腰でブンブン振り回すだけという有様。

それでも必死に、ゆかりを守ろうという男気を見せ付ける。

ある意味、人間くさい普通のキャラだから妙なリアリティが出たとも?


何故、波多野は単なる教え子を探しに、危険な目に合いつつも東京の街を彷徨うのか!?
それは波多野と雅子との恋愛、結婚がスキャンダルになって学校を追われ、結果として雅子を守り切れず別れてしまった苦い思い出があるから。
その自分の思いを明確にするための男の旅でもあった。

ただこの内面の描写が、イマイチ伝わってこなかったような気も。


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清純派のイメージが強い小西真奈美の濡れ場は、結構衝撃的で変に生々しいものが。


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物語の鍵を握るゆかり役の南沢奈央は、前半~中盤はほとんど姿を見せず。
しかし後半は出ずっぱりで、ファザコンの気がある女の子を好演。


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ゆかりの友人役の谷村美月はワンシーンの出演ながら、印象が残ります。
(スーパーで波多野に刺身代を奢って貰った後、ちゃっかりお釣りまで頂こうとする仕種が可笑しかった)


一見、ヤサ男風も実はボクシングの達人役の窪塚洋介と若い頃は‘優作のコピー’と呼ばれた菅田俊の対決シーンは、なかなかの迫力でした。



何となく‘昭和のハードボイルド映画’といった雰囲気。
これは、東映セントラル時代の優作作品へのオマージュなのか!?