『櫻の園』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『櫻の園』


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【出演】
福田沙紀、寺島咲、杏、大島優子、米倉涼子、菊川怜、上戸彩、京野ことみ、大杉漣、富司純子


【監督】
中原俊



1990年に小規模公開ながら大ヒットし、超ロングランを記録、そして各賞を独占した『櫻の園』を中原監督が自らリメイク。
(オリジナル版……今は無き、シネマアルゴ新宿で観ました。口コミで評判を呼んでいて超満員だった覚えが)

今作はリメイクというより、リ・イメージして内容を一新し、新しいストーリーで現代的な青春ガールズムービーとなっています。


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ちなみに、このリメイク版は……150館規模で公開された映画としては異例の観客動員の低さで(1館あたり各上映に1、2人しか入場していない計算だった)史上稀に見る‘大コケ’が話題になったりも……。
(超地味な内容だから単館向きな作品なのに、なぜか拡大公開されちゃったんですよね)

観に行こうと思っている間に打ち切りに(?)なってしまい、結局は観逃したまんまで~~今回、DVDでやっと鑑賞。


オリジナル版は、中島ひろ子、つみきみほ、白島靖代などの好演に加え、中原監督の演出も冴え渡り、普通の少女達の群像をリアルに描いた名作中の名作!
ダウン
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劇場でビデオでと何回も観ている大好きな作品なのですが、果たしてこのリメイク版は……。



音楽学校を辞め名門女子校・櫻華学園に編入してきた結城桃。
(高校はオリジナル版と同じ設定)

活発な性格の桃は、お嬢様学校の厳しい校風になかなか馴染めず……。

そんなある日、旧校舎のあかずの間と呼ばれる教室で、偶然チェーホフの『櫻の園』の台本を発見。
(オリジナル版ではこの旧校舎が舞台でした)

「櫻の園?」

かつて創立記念日の恒例となっていた『櫻の園』の上演を復活させようと、桃と友人たちはこっそり稽古を始める。

しかし、ある事情から学校ではその上演が禁止されており、それを知った教師たちは猛反対。

ある事情とは……11年前、演劇部のひとりの妊娠が発覚し退学に。
その不祥事から上演は中止、それだけではなく演劇部自体も廃部となっていた。

しかも退学になった生徒は‘自分のせいで上演が中止になった’と責任を感じ、自殺していたという過去が。


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それでもどうしても諦めきれない桃は、
「伝統は守っても、生徒は守らないんですか!」
と高山校長に直談判するも、聞き入れてもらえない。

が、桃たちの情熱に揺り動かされたのが、11年前に演劇部員だった坂野先生。
生徒たちに‘自分のような悔しい思いをさせたくはない’と、辞職覚悟で校長らを説得。

遂に創立記念日での『櫻の園』上演許可を得ることに成功。

高山校長は、
「私は演劇部の顧問だったんです。可愛い教え子が辞職を覚悟で訴えてきているのに反対なんかできません」

そして、創立記念日。

控室で舞台衣装に着替えた部員たち。

それぞれの思いを胸に、櫻の樹の下を通り……舞台へと向かう。

「大変、長らくお待たせいたしました。只今より櫻華学園高校演劇部によるチェーホフ作『櫻の園』を上演いたします」




大コケした作品だけにあまり期待していなかったら……これが予想に反して、とても良かった!

特にラストの上演前の部室でのシーン。

オリジナル版と全く同じ台詞のやり取りが出てきて、思わずジーンと!

他にもオリジナル版とリンクしていたところは~制服のデザインが同じだし、部室の内装もそのまんま。

主要キャスト3人の性格設定&ルックスもオリジナル版を踏襲しています。(『櫻の園』で演じる役柄も含め)

これから『櫻の園』の上演が始まる……というところで幕を閉じるのも同じですね。


全体としては、さすがにオリジナル版には及ばずも……福田沙紀、杏、寺島咲らは好演でした!