『アイデン&ティティ』

【出演】
峯田和伸、麻生久美子、中村獅童、大森南朋、マギー、コタニキンヤ、岸部四郎、三上寛、ポカスカジャン、平岩紙、大杉漣、浅野忠信、ピエール瀧、塩見三省、田中要次
【原作】
みうらじゅん(元・大島渚)
【脚本】
宮藤官九郎(グループ魂)
【監督】
田口トモロヲ(元・ばちかぶり)
みうら&トモロヲ(ブロンソンズ)+クドカン……最強トリオによるリアルなバンド・ストーリー。
遠藤ミチロウ(元スターリン)、PANTA(頭脳警察)、石川浩司(元たま)、ROLLY(元すかんち)等のミュージシャンのインタビューから映画はスタート。
バンドブーム吹き荒れる頃の東京。
4人組のロックバンド“SPEED WAY”もブームに乗ってメジャーデビューを果たし、デビュー曲はそこそこヒットするも……パッとしない活動が続き……。

「メジャーデビューしても、僕らの生活は変わらなかった」
今日も彼らは、狭苦しいスタジオで練習し、居酒屋でロック談義に花を咲かせる。
理想家肌のギタリスト・中島は、売れる曲を書けと迫るボーカルのジョニーと言い争うが、どうしてもいい曲が書けず、本当のロックを求めて葛藤。
そんな時、高円寺の中島のアパートに“ボブ・ディラン”が現れ、ハーモニカの調べで語りかけて来る……。
ところが、その姿は中島にしか見えなかった。
やがてバンド・ブームは呆気なく終息。
事務所の社長は、
「これからはラブソングなんだから!カラオケで歌えるような曲を作ってよ」
「そんなのロックじゃねえよ……」
そして、ある事件をきっかけに中島は自ら歌うことを決意し……。
大人達の商業主義に辟易していた中島は、懐かしのバンドを集めたテレビ番組に出演した際、
「大人を困らせたいんだ」
と、ある秘策を胸にステージへ。
「この歌をロックを単なるブームとして扱ったバカどもに捧げる!ロックで金儲けしようとしたバカな大人たちに捧げる!ロックを冒涜するミュージシャンもどきに捧げる!他人の人生を笑い者にしてる奴!お前ら、みんな偽善者だ!」
そして予定外の曲を演奏し続け、強制退場させられるも……オーディエンスは大熱狂!
が、この暴挙がキッカケで事務所をクビに。
しかしSPEED WAYは、自分たちのやりたい音楽を求めて今夜もライブハウスのステージに立つ!
「みんなの心の中にも、きっとロックは棲んでる。そのロックは、きっとこう言うだろう。やらなきゃならないことをやるだけさ。だからうまくいくんだよ……じゃあ、新曲を歌います。『アイデン&ティティ』」

80年代後半~90年代初頭のバンド・ブームが背景で、みうらじゅん率いる‘大島渚’が「イカ天」に出演した時の映像もちょこっと登場。
そのみうらが敬愛するボブ・ディランへのオマージュが随所に表れており、エンディング曲『ライク・ア・ローリング・ストーン』の他にも、劇中でディランの曲やレコード・ジャケットが度々登場しています。
ちなみに、この作品の6年後……『少年メリケンサック』で、田口トモロヲ、クドカン、峯田和伸は再び集結することに!
麻生久美子……一見クールな雰囲気ながら、実は母性愛に溢れており、恋人の中島を優しく見守る姿が美しい。

あと平岩紙が、中島を追いかけるグルーピー役で出演!(お得意の浮き世離れ風キャラ)
中島とガード下であんなことを……

