仲里依紗映画祭!? 第6弾『純喫茶磯辺』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

仲里依紗映画祭!? 第6弾は~何回も観ている大好きな作品~『純喫茶磯辺』ビックリマークビックリマーク


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磯部咲子は、離婚した父の裕次郎といがみあいながら暮らしている。
そんなある日、父の遺産が転がり込んだのをいいことに、裕次郎は仕事にも行かず毎日グダグダ生活を……。


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「お父さん、仕事しないの?」
「ん?いや、まあ、イロイロと考えてるところだから」
「ホントに?」

そして……突然!

「お父さん、喫茶店を始めることにしました~」
「はあ?喫茶店!?」

いい加減な気持ちから喫茶店経営に乗り出す裕次郎。
あれよあれよと開店準備が進み……。


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「どうだ!」
「何、これ?純喫茶磯辺って?」
「シンプルだろ!」
「シンプルって……メチャ主張強いよ。変えてよ!ダサいよ!やだよ、こんなの!」
「うっせーよ」

そのあまりにダサい内装やセンスに驚き呆れる咲子。

「なんだ、これ?ダッセー」


そんなこんなで、バイトの江頭を加えた3人で純喫茶磯辺はオープン日を迎えたものの……。


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‘やってるよ!’のプレートも虚しく客は全くやって来ない。
しかも表の電光掲示板の文字は……
「お父さん!‘おいしい’じゃなくて、‘おいにい’珈琲になってるよ!」
「あ……ホントだ」

やっと客第1号が来店……も、よりによって柄の悪い極道コンビで……ビビりまくる3人。


ある日、菅原素子が客としてやって来る。
その美貌に思わず一目惚れしてしまう裕次郎。
すると、
「すいません、ここってバイト募集してませんか?」


「なんで客が来ないのにバイト増やしてんの?下心見え見えだからね!」
「な、なに言ってんだよ。そんなんじゃねえよ」


夏休み……何もすることがない咲子は店の手伝いをすることに。


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しかし接客にテンパりまくる4人に、客はいたたまれず逃げるように店を飛び出す始末。

「客、来ねえなぁぁ」

裕次郎はルックスに難のある江頭にそれとなくクビを言い渡す。


集客作戦で駅前でチラシを配るもほとんど受け取ってもらえず、クサる咲子。
「恥ずかしいよ……」

ところが素子は……チラシ配りをサボり、しかも全部ゴミ箱にポイッ。


何の成果もないまま店に戻ってきた咲子に裕次郎は、次なる集客作戦を。

超エロいミニスカ衣装を取り出し、
「これなんだけど」
「は?」
「これを制服にしようと思って」
「バッカじゃないの!ていうか、フツー娘にこういうの着せる?第一、こんなの着る人がいるワケないでしょ!」

と、そこにその衣装を来た素子が現れ、
「どうですか?」
「……え!?」


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それからというもの、素子目当てのひと癖もふた癖もありそうな客たちが集まるようになり、店は大繁盛。

水を何回もオカワリする若い小説家・安田。(咲子は彼にほのかな恋心を抱いている)

いつも黙ってカウンターに座っているオシャレなおじいちゃん・本郷。(その貫禄ある雰囲気からマスターと勘違いされることもしばしば)

誰かれ構わず「九州出身?」と訊き、「僕は熊本なんだけど」と話し出す柴田。(ポルトガル人にも「九州出身?」と訊く変なオヤジ)

素子の手を握り恍惚状態に浸る小沢。(素子の身体に触ることに生き甲斐を感じている46歳の独身男)


ある時、憧れの安田と話せて有頂天になっている咲子に裕次郎は、
「あの野郎、ロリコンだぞ!」
「は?バッカじゃないの?」
「あれはロリコンのクソ野郎だ」
「……死んでよ」
「え?……やだ」


一方、素子が好きで好きで堪らない裕次郎。

「な、俺が再婚するって言ったらどんな感じ?」
「別に~お好きにって感じ」
「ほんとに?ほんとに?」
「あ、例えばだけど、モッコみたいなバカっぽい女とだけは家族になりたくない」
「……」


咲子は安田から「原稿を読んでほしい」と誘われ、オシャレをして彼のアパートへ……ところが!

安田が電話に出ている間に、部屋に設置された3台の隠しカメラを発見してしまう。
「……!!」
「あれ、どうしたの?」
「……いえ……あの……どっしようかなぁ……今日は帰ろうかなぁ……お店の手伝いもあるし……また次、寄らせていただきます」
「待てよ!」
と豹変し、咲子の腕を離さない!

「……あ、あの……腕、離してもらえますか?……ごめんなさい!」
安田の‘裏の顔’を知ってしまった咲子は、強引に腕を振り切り慌てて部屋を飛び出す。


別れた母親・麦子のアパートに足を運ぶ咲子。
スナックを経営している麦子は再婚相手とも離婚していた。

「お母さん、いつから独り暮らししてんの?」
「4年前……かな。あ、お父さんには言わないで」
「言わないよ」
「……」
「独りで淋しくないの?」
「別に~気楽なもんだよ」
「そっか……ねえ、あのさ……もう一度、3人で暮らしたりってあれかな?ダメなのかな?」
「……」


居酒屋で飲んでいる裕次郎と素子。
そこに咲子が姿を現す。

「あれ?どうしたんだ?」
「ちょっとお腹空いたから……焼鳥でも食べたいなと思って」
「あ、あ、そうか、そうか!」

気まずい雰囲気から逃げるように裕次郎はトイレへ。

素子は気を使ってイロイロと話しかけるも、咲子は素っ気ない態度。

一方、トイレの裕次郎は……素子に告白し渡すつもりでいた指輪を見つめ……。

「お父さんとさ、あんまりいい関係にならないでほしいんだけど」
「え?いや、そんな!全然、そんなんじゃないよ!だって」
「うっせーよ!!」
「……」
「彼氏が殴る気持ちわかる。モッコさんてさ、人の気持ち、全然わかんないでしょ?」

そこに戻ってくる裕次郎。

すると素子は、
「わたし、裕次郎さんとはそういう関係じゃないよ」
「え?」
「わたし、客の小沢さんと‘やった’の」
「小沢……あの小沢と!え、そんな深い関係だったの?」
「深くなんかないですよ。誘われて何となく。わたし、そういう女なんですよね。まぁ、ヤリマンなんで。最低なんですよ。だから、わたしなんかと付き合ったら最低ですよ」

ショックで声も出ない裕次郎。


翌日、その小沢が店にやって来て、いつものように素子の手をベタベタ触ってはニヤニヤ。

我慢出来なくなった裕次郎は、小沢の頭を平手打ち!
そこから大喧嘩へとなだれ込み、警察騒ぎにまで発展!

「あの、わたし……この店、もう辞めますね」
「うん、そうしてくれる」


この一件以来、咲子は麦子のところにしょっちゅう顔を出すようになる。

「あんた最近、よく来るね~」
「悪い?」
「お父さんとはうまくいってるの?」
「別に……ここんとこ、口もきいてないし。だいたいさ、お父さんはバカなんだよ!いつまでもガキみたいにさ!なに考えてんだかわかんない」
「でも大人だって、いつまでも青春していたいんだよ。恋だってしていたいんだよ。咲子と変わらないんだから」


咲子は街で素子に声を掛けられ……。

「いろいろ迷惑かけてゴメンね。北海道のイナカへ帰ることにしたの」
と裕次郎への手紙を託す。
そして、
「あとこれも」
と別の封筒も手渡す。

「なに、これ?」
「実はバイト始めた頃、レジから失敬しちゃって」
「いや、でも3000円って……セコくない?」
「あまりにお金が入ってなかったから、いっぱい取ったらバレバレじゃん」
「ま、確かにね」


店に戻った咲子は裕次郎に手紙を手渡し、
「今日、北海道に帰るってよ」
「ふ~~ん、そっかそっか」
「読まないの?」
「あぁ、後で読むよ」


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そして夜……。

「モッコのことはいいの?行かなくていいの?まだ間に合うよ」
「い、行かないよ。俺、何にもないからね。彼女とは何にも」


ゴミ出しをしている咲子、その臭いに閉口し、
「うわっ、臭っ!……」

‘いつもこんなこと、モッコはやってたんだ……わたし、酷いこと言ってモッコに謝ってない’

素子を見送るため走る、走る咲子。
と、その横を必死に自転車を漕いで追い抜いていく裕次郎。
その姿に……咲子は店へと引き返す。

閉店後、3000円をそっとレジに戻す咲子。


裕次郎は素子からの手紙を淋しげに読んでいる……。

‘結局、お父さんはモッコには会えないで帰ってきたみたい。本人は、ちょっとタバコを買いに行っただけだって苦しい嘘をついてたけど’

「帰るか……」
「うん」

自転車に二人乗りして商店街を走る……咲子は裕次郎の背中に愛おしげに顔をくっつけて。


‘一年後’

咲子はパチンコ屋から出て来た妊婦を見て、
「え……!?」
それは素子だった。

「あのさ、北海道帰ったんだよね?なんでこっちでパチンコやってんの?」
「う、うん……ちょっとイロイロあって帰りそびれちゃって」
「お腹は?」
「いま一緒に住んでる人がいて。あ、籍は入れてないんだけどね」
「え?それは結婚するの?」
「う、うん……まあ」
「そっか」
「裕次郎さんによろしくね。あ、やっぱ内緒にしといて」
「わかった……お腹の赤ちゃん、元気に育つといいね」
「うん、ありがと」
「じゃ……」
「じゃ……」



そして……。

‘あのバタバタの後、少しして店は潰れた。
それにこんな恥ずかしいお店、なくなって本当によかった……本当に’

看板が外され、表は板が打ち付けられていて……空きテナントになってしまっている純喫茶磯辺。

咲子は板に僅かに開いている穴から中を覗き込む。
そのまま放置されているテーブル、カウンター、レジ……純喫茶磯辺の残骸。

咲子の脳裡に……‘恥ずかしかったけど、嫌だったけど、何もいいことがなかったけど……’でも、短いながら‘楽しかった、愛おしかった’純喫茶磯辺の思い出が次々に蘇り……涙が溢れ出す。

と、そこに自転車に乗った裕次郎が。
慌てて涙を拭う咲子。

「あれ~泣いてた?」
「泣いてない!」
「泣いてたよね?」
「泣いてないって!」
「じゃあ、何してんの?」
「べ、別に……あ!さっき……」
「ん?」
「あ……何でもない」
「何だよ?言えよ」
「言わない」
「言えよ」
「しつこいよ」
「言えって」
「しつこい!」
「あ、あ!ひとつ教えてほしいのは~~チューとかしたことある?」
「はあ?」

いがみあいながらも仲良く商店街を行く咲子と裕次郎……。


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生きることに不器用なダメダメ親父・裕次郎を欝陶しく恥ずかしい存在と思いつつも、心の底では愛してやまない咲子。


ヌルくてゆるい台詞、描写にクスクス笑いが止まらず……しかし最後にホロリとさせてくれる『純喫茶磯辺』。

ハートフルコメディの大傑作ですビックリマークビックリマークビックリマーク








仲さんがとにかく可愛く~~等身大の女子高生・咲子を生き生きと演じています。

ザンバラ髪で大イビキをかいて大爆睡しているシーンや、足の爪を切った後、足の臭いをクンクンと嗅いで……「ん?」もう一度嗅ごうとして後ろにひっくり返るマヌケなシーンなどは、ある意味衝撃的なものが?!

でも、その下品な描写すら可愛いドキドキドキドキドキドキ