仲里依紗映画祭!? 第1弾『ガチ☆ボーイ』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

DVD発売以来、しょっちゅう観ている『時をかける少女』……そして仲さんの他の主演作(出演作)も改めて観てみたくなり~‘自宅・仲里依紗映画祭’(?)を開催。


その第1弾は大好きな作品『ガチ☆ボーイ』をチョイス!


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安全第一がモットーの学生プロレス研究会‘HWA’に入部した秀才・五十嵐。
いつまで経っても肝心の段取りを覚えられず、デビュー戦はまさかのガチンコに……。
ところがそのハチャメチャな試合内容が観客にバカ受けし、彼は人気レスラーになってしまい貴重な戦力として部員の期待を一心に集めます。

が……実は五十嵐は……事故の後遺症で、一晩寝たらそれまでの記憶が完全に消えてしまい、新しいことが覚えられないという脳の障害に苦悩していて……。
その日の出来事は全て詳細に手帳にメモし、写真も撮り、‘明日の僕へ’と題した分厚い日記も付けている。


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そんな五十嵐がバスの中で、片思いをしているマネージャーの麻子に告白するシーンは切なすぎるものが。

「実は、僕……麻子さんを」
麻子は泣きながら、
「ごめんね……その話、4回目」
「え?」
「私は奥寺さんが好きなんだ……これは2回目……ごめん」
「あ、そっか。なんでそんな大事なことメモしてなかったんだろ……おかしいな……すいません。ホントすいません」

五十嵐はバスを降りてから、すぐに手帳を取り出し、
‘麻子さんは奥寺さんのことが’
ここまでしか書くことが出来ずに……号泣。

失恋の痛手さえもわざわざメモしなければならない五十嵐の辛さが胸に滲みます。


五十嵐の身体を気遣いプロレスを猛反対する父親に向かって訴えかけるシーンも印象的。

「記憶が残らないってことは、生きてなかったのと一緒なんだ。明日になったら全部忘れちゃうんだよ!何もかも忘れちゃうんだ!こうやって父さんと話してることだって……そんなの生きてるって言える?でも身体は違う。ちゃんと残ってくれる。アザがあって筋肉痛があって……だから僕が生きてるって証はプロレスしかないんだよ!」

‘記憶は消えても身体は覚えている’

そう主張する五十嵐、「勝手にしろ!」と怒りの言葉を投げ掛けるも息子が可愛くて堪らない父親、兄を支えようと心に誓う妹……こうして、ぎくしゃくしていた3人家族の絆は深まり……。



仲さんの出演シーンは少ないものの、兄思いの妹・茜役を演じていて、必死に自転車を漕いで兄の元へ駆け付ける姿や、リング上で壮絶な戦いを繰り広げる兄を涙ながらに応援する姿が健気です。


茜のシーンで一番好きなのは~~銭湯の脱衣所にいる麻子を不審者だと思い、デッキブラシ片手に恐る恐る近付き……「何者だ!」

何ともカワイイドキドキドキドキドキドキ


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五十嵐がプロレスをすることに父親と共に反対していた茜でしたが、学生生活最後となる試合をリングサイドで観戦。

段取りなしのガチンコマッチに大苦戦&大奮闘の五十嵐。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん、頑張れ!」

しかし、ヒールホールドを切り返され、一瞬のエビ固めでフォール負けしてしまうマリリン仮面(五十嵐)。

が……観客はマリリン仮面の健闘を讃えて大歓声!

涙を流しておもいっきり拍手をする茜。
そして客席の片隅で拍手を贈る頑固な父親。(泉谷しげるが好演!)

仲間たちに抱えられ、満面の笑みを浮かべる五十嵐……ジ~~ンとくるラストシーンです。


でも五十嵐は……この一生の思い出となる大切な記憶さえも消えてしまう……そう思うと最後の笑顔が寂しく感じてしまいます。



ちなみに、まだブレイク前の向井理が赤いマスクのレッドタイフーン役で出演していてプロレスも披露。(今となっては貴重な映像?)


それからプロレスファンなら思わずニヤリとさせられるネタが散りばめられています。

蝶野正洋もどきのデビルドクロが「ふへへへ、ふへへへ、ふへへへ」
「これがレスラー呼吸だ。いかにも苦しそうだろ?やってみろ!」
とか(笑)。


学生プロレスが題材なので際物映画かと思われるかもですが(?)とてもハートフルで……笑えて泣ける愛すべき作品です!