DVD発売記念『時かけ』特集【13】涙のツボ | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

泣けるシーン満載の『時かけ』。

雨の駅の相合い傘。

コタツでの‘足芝居’。

あかりの後ろ姿を撮影する涼太。

淋しく部屋を出ていくあかり、部室であかりが映っているフィルムを観る涼太。

実験室での別れ。

悲しすぎるバスターミナル。

『光の惑星』に涙するあかり。

ラストの桜並木道。



どれも泣けるシーンかと思いますが、自分はこれ以外にも‘泣きツボ’のシーンが二つあり……。
(「え!?なぜそこで泣く?」と思われるかもしれない?)



ひとつは、あかりと涼太がお互いの家族の話をするシーン。


「あ?涼太ん家ってさ、どんな?」
「ん?俺ん家?」
「うん」
「両親と妹の四人家族」
「ふぅん」
「で、親父が秋田で印刷工場やってる」
「へ~じゃ後継いでって言われないの?」
「うん……まあ、ホントは継いで欲しいって思ってるんだろうけど……」
「じゃあ、応援してくれてるんじゃん!いいお父さんだね」
「……うん……あ、君のウチは?」
「わたし?」
「うん」
「……わたしは……」
「どしたの?」
「……ううん……あ、いや……いや、わたしね、お父さんの記憶がほとんどないんだよね。わたしが小さい時に、お母さんとわたしと置いて出てっちゃった。まぁ、お母さんがずっとそばにいてくれたし、元々いないも同然だから、淋しいって思ったことはなかったんだけど……いたらどうだったんだろうなぁっていうのは……いっぱい想像したし……考えてたよね……」
「……」
「あ!なんかゴメンね、なんか、こんな話しちゃって」
「……」
「……」
「……(あかりの食べているポッキーを差し)あ、これ貰っていい?」
「いいよ」


母親しかいないあかりが、父親の話をする時の淋しそうな表情に……泣けてしまう。




もうひとつは、夕食シーン。

鍋の蓋をパカッと開け、
「おーーー!凄いじゃ~~ん!」

でも、インスタントラーメンに卵、ハム、キャベツなどが入っているだけ……。
しかし涼太は超得意げな表情。貧乏学生の涼太にとっては、精一杯のお持て成し。
あかりもそれを分かっているから、涼太のその気持ちが嬉しくてはしゃいだ声を!

そして卵を慎重に掬ってご飯の上へ乗せ、これまた慎重に箸で潰す涼太。

「ん!?」
「混ぜてからどうぞ」
「ウヘヘヘ~!じゃあ、これを……ン!……うまい!エヘヘヘ」

涼太は満面の笑み。

「ラーメン、ラーメン!」
「次はラーメンを」


二人の何とも可愛くて微笑ましいその姿に……泣けて泣けて。


このシーンの仲さんと中尾くん、メッチャいい表情です!