『キャタピラー』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

仕事帰りに有楽町にて『キャタピラー』を鑑賞。
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【出演】
寺島しのぶ、大西信満、河原さぶ、ARATA、篠原勝之


【監督】
若松孝二


戦場で四股を失い、軍神となって帰郷した傷痍軍人の夫とそれを介護する妻の葛藤を軸に、戦争の本質を浮き彫りにした人間ドラマ。


設定は『芋虫』や『ジョニーは戦場に行った』を彷彿とさせます。


両手足のみならず聴覚、言葉までをも失い、火傷の跡も痛々しく、自分では何もすることが出来ず、ただ生きているだけの夫。
妻は食事、排泄、そして性交に至るまで献身的に世話を……。

肉の塊と化して無力であるのに性欲だけは人並み以上に残っていて……毎夜、性交を求めてくる夫の姿はあまりにも生々しい描写で惨い。


妻が夫に軍服を着せ、リヤカーに乗せて村中を練り歩くシーンも強烈でした!


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寺島しのぶが全編ノーメイクで凄まじい演技を見せてくれています。


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健気に世話をしているかと思いきや、あまりにも単調な日常に嫌気がさし、いきなり感情を爆発させる際の演技は圧巻の一言!


それにしても、重~く暗~く辛~くなる作品でした。


観なければよかったかもしれない……いや、やはり観てよかった……こんな凄い作品、そうそうお目にかかれないだろうから!


『実録・連合赤軍/あさま山荘への道程』も衝撃的でしたが、これはそれ以上に衝撃的なものがありました!


その若松監督、あるインタビューでこのような発言を。


「社会や戦争に腹を立ててる人はいっぱいいると思うんだよ。その確信があるから映画を作る。映画監督がイケメンでマンガの映画化ばっかりやっててどうすんだよ。題材はいくらでもあるよ。次は60年代を総括する映画を撮る!」


今年74歳とは思えないくらい非常にアグレッシブな人です!